子どもが生まれたときのお金と手続き

最終更新: 2026年8月9日

出産にまつわるお金は「もらえるお金」「減る収入」「これからかかるお金」の 3つに分けると整理できます。制度ごとにバラバラに調べると全体像が見えないので、 時系列に沿ってまとめました。

それぞれ金額を試算できるようにしてあるので、 自分の場合いくらになるかを確かめながら読み進められます。

1. もらえるお金

申請しないともらえないものがほとんどです。まずは全体像を押さえてください。

制度 金額の目安 対象
出産育児一時金 子ども1人につき50万円 健康保険の加入者全員
出産手当金 標準報酬日額の2/3 × 98日分 会社員・公務員(産休を取る人)
育児休業給付金 賃金の67%(180日以降50%) 雇用保険の加入者
児童手当 月1〜1.5万円程度 全世帯
医療費控除 翌年の確定申告で還付 年間の医療費が10万円を超えた世帯

出産育児一時金は直接支払制度を使えば、病院への支払いに自動で充当されます。 出産費用が50万円を下回れば差額を受け取れるので、忘れずに申請してください。

2. 減る収入

育休に入ると額面の収入は下がりますが、手取りで見ると思ったほど減りません。 理由は2つあります。

  • 育児休業給付金は非課税です。所得税がかかりません
  • 育休中は社会保険料が免除されます(健康保険・厚生年金とも)

額面では67%でも、手取りで比べるとおよそ8割が残る計算になります。 ただし翌年の住民税は前年の所得にかかるため、 育休に入った年の翌年に負担が残る点は見落とされがちです。

3. 手続きの期限

期限を過ぎるともらえるはずのお金が減るものがあります。 とくに児童手当は要注意です。

手続き 期限 窓口
出生届 生後14日以内 市区町村
児童手当の認定請求 出生日の翌日から15日以内 市区町村
健康保険の加入 1か月健診まで目安 勤務先または市区町村
乳幼児医療費助成 健康保険証が届いたら 市区町村
出産育児一時金 出産前(直接支払制度) 病院
育児休業給付金 育休開始後(勤務先が申請) 勤務先

児童手当は15日を過ぎると、遡って受け取ることができません。 申請が遅れた月分は消えてしまうので、出生届と同時に済ませるのが確実です。

4. 年末調整・確定申告で変わること

子どもが生まれた年は、税金の手続きでも変更点があります。

  • 扶養親族の追加:16歳未満は所得税の扶養控除の対象外ですが、 住民税の非課税限度額の判定には影響します。年末調整の書類には記入してください
  • 医療費控除:妊婦健診・分娩費用・通院の交通費が対象になります。 出産育児一時金で補填された分は差し引きます
  • 配偶者控除:配偶者が育休で収入が下がった年は、 配偶者控除・配偶者特別控除の対象になることがあります

5. これからかかるお金

教育費は進路によって総額が数倍変わります。 すべて公立なら約800万円、すべて私立なら2,000万円を超えることもあります。

ただし、いちばん重要なのは総額ではなく「いつ、いくら必要か」です。 大学入学時にまとまった額が必要になるため、そこから逆算して積み立てるのが基本になります。

なお、児童手当をそのまま貯めておくだけでも、 中学卒業までで約200万円になります。 使ってしまわないよう、生活費とは別の口座に分けておくのがおすすめです。

6. 働き方を見直すとき

復職のタイミングで、時短勤務にするか、フルタイムに戻るかを考えることになります。 パート勤務を選ぶ場合は扶養の壁が関わってきます。

注意したいのは、年収を抑えることが必ずしも得ではない点です。 社会保険に加入すると手取りは一時的に減りますが、 将来の年金が増え、傷病手当金なども受けられるようになります。

チェックリスト

出産前

  • 出産育児一時金の直接支払制度を病院で申し込む
  • 産休・育休の取得を勤務先に申し出る
  • 育休中の家計を試算しておく

出産後すぐ(14日以内)

  • 出生届を提出する
  • 児童手当の認定請求(同時に済ませる)
  • 健康保険の加入手続き
  • 乳幼児医療費助成の申請

落ち着いてから

  • 医療費の領収書をまとめておく(確定申告用)
  • 年末調整で扶養親族を記入する
  • 教育資金の積立を始める

本記事は一般的な制度の説明であり、個別の判断ではありません。給付額・要件・期限は制度改正や自治体によって変わります。実際の手続きにあたっては、勤務先・加入している健康保険・お住まいの市区町村の窓口でご確認ください。

このツールが使っている給付の計算方法と上限額は 2026年8月時点のものです。 使用している数値と出典を見る

このページの数値と出典

このページで使っている値と、その根拠です。制度の数値も各社の料金も改定されるため、 判断の前には出典元でお確かめください。

社会保障の給付(失業・傷病・出産・育児・医療)2026年8月時点

  • 育児休業給付金開始から180日は67%、以降50%
  • 育休中の社会保険料免除給付金は非課税
  • 傷病手当金標準報酬日額の2/3通算1年6か月
  • 出産手当金標準報酬日額の2/3
  • 出産育児一時金50万円
  • 医療費控除の足切り10万円総所得金額等が200万円未満なら5%
  • 医療費控除の上限200万円
  • セルフメディケーション税制1.2万円超・上限8.8万円
  • 医療費の自己負担割合原則3割

雇用保険の給付額には毎年8月に改定される上限額があります。高額療養費の自己負担限度額は所得区分によって変わり、制度見直しの議論が続いている分野です。

出典: 厚生労働省「雇用保険制度」全国健康保険協会「傷病手当金」全国健康保険協会「高額療養費」国税庁「医療費を支払ったとき」

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