「扶養の壁」とは
パートやアルバイトで働くとき、年収がある金額を超えると税金や社会保険の負担が増えます。 この境目が「壁」と呼ばれます。壁は1つではなく、税金の壁と 社会保険の壁がいくつもあります。
税金の壁
- 約100万円:住民税がかかり始めます(自治体により93〜100万円)。
- 123万円:配偶者側が受ける「配偶者控除」(38万円)が満額で受けられる上限です。従来「103万円の壁」と呼ばれていたラインが、令和7年分の改正でここまで上がりました。
- 約160万円:本人に所得税がかかり始めます(給与所得控除65万円+基礎控除95万円の合計)。
- 150万円:配偶者側が受ける「配偶者特別控除」が満額から減り始めます。
- 約201万円:配偶者特別控除がなくなります。
税金の壁は、超えても増えた年収の一部に税金がかかるだけなので、手取りが逆転して 減ることはありません。恐れずに働けるラインです。
社会保険の壁(ここが大きい)
- 106万円:従業員数が一定以上の勤務先で、週20時間以上などの条件を満たすと社会保険に加入。
- 130万円:上記に当てはまらない場合、これを超えると配偶者の扶養から外れて自分で社会保険に加入します。
社会保険の壁は影響が大きく、超えると年収の約15%が社会保険料として引かれます。 そのため壁を超えた直後は、年収が増えたのに手取りが減る「働き損」が起きます。 上のシミュレーターで、壁の前後の手取りを見比べてみてください。
働き損は「超え方」で避けられる
130万円の壁を超えるなら、中途半端に超えず、しっかり働くのが基本です。 社会保険料を払っても手取りが元に戻るのは、目安として年収150〜160万円あたり。 それ以上働けるなら、社会保険料を払うぶん将来の年金が増え、傷病手当金なども受けられるため、 むしろメリットが大きくなります。
「扶養内に抑える」か「しっかり働く」か。中間の年収帯がいちばん損をしやすいので、 どちらかに寄せて考えるのがコツです。世帯全体の手取りは、配偶者側の 手取り計算機とあわせて考えるとよいでしょう。
あわせて使いたい
働き方と手取りの考え方はパート・共働きの働き方と手取りに まとめています。時給から年収の換算は時給・月給・年収 換算、 残業代は残業代計算機、有給日数は 有給休暇 付与日数で確認できます。
よくある質問
103万円の壁はなくなったのですか?
令和7年分の税制改正で引き上げられ、2つに分かれました。配偶者控除を満額で受けられる上限は123万円 (配偶者の合計所得金額58万円+給与所得控除65万円)、本人に所得税がかかり始めるのは約160万円 (基礎控除95万円+給与所得控除65万円)です。「103万円」という1つの数字ではなくなったため、 どちらの話をしているのかを分けて考える必要があります。制度は見直しが続いているので、 最新の金額は勤務先や税務署でご確認ください。
学生の場合は違いますか?
学生には勤労学生控除があり、所得税がかからない年収のラインが上がります。ただし親の扶養 (扶養控除)からは外れる可能性があるので、家族全体で確認しましょう。