確定申告のやり方

最終更新: 2026年7月20日

確定申告は「1年間の所得と、それに対する税金を自分で計算して国に報告し、 納めすぎた分を返してもらう(または不足分を納める)手続き」です。 会社員の多くは会社の年末調整で完結しますが、 年末調整では処理できない事情がある人だけが自分で申告します。

この記事では「自分は必要か」の判断から、書類の準備、e-Taxでの提出までを順番に整理します。

1. まず「自分は必要か」を確かめる

会社員で確定申告が必要になる代表的なケースは次のとおりです。

  • 副業・フリーランス収入などの所得が年20万円を超える
  • ふるさと納税で寄付先が6自治体以上、またはワンストップ特例を申請しそびれた
  • 医療費控除を受けたい(年間の医療費が原則10万円超)
  • 住宅ローン控除の1年目(2年目以降は年末調整でできます)
  • 給与収入が2,000万円を超える
  • 2か所以上から給与をもらっていて、年末調整をしていない給与がある
  • 株式を一般口座特定口座(源泉徴収なし)で売って利益が出た (税額は株の税金計算で試算できます)
  • 暗号資産(仮想通貨)の利益が20万円を超える (暗号資産の税金計算
  • 年の途中で退職し、年末調整を受けていない

逆に、給与1か所だけ・年末調整済み・副業なしであれば、基本的に確定申告は不要です。 自分の年収に対して税や社会保険がいくら引かれているかを確認したいときは、 手取り計算機でおおよその内訳を見ておくと、申告書の数字とも突き合わせやすくなります。

2. 申告の期間と、還付だけの場合の例外

確定申告の期間は原則翌年2月16日〜3月15日です(土日祝の関係で前後します)。 納税もこの期限までに行います。

ただし、医療費控除やふるさと納税のように払い過ぎた税金を返してもらうだけの 「還付申告」なら、翌年1月1日から5年間さかのぼって申告できます。 「去年出し忘れた」という場合でも、まだ間に合うことが多いということです。

3. 必要なものを集める

ケースによりますが、会社員なら次のあたりが基本セットです。

  • 源泉徴収票(勤務先から。給与・源泉税・社会保険料が全部載っています)
  • マイナンバーカード(e-Taxで本人確認に使います)
  • 還付を受ける銀行口座の情報
  • 控除を受けるための証明書
    • ふるさと納税 → 寄附金受領証明書(または寄附金控除に関する証明書)
    • 医療費控除 → 医療費の領収書をもとにした「医療費控除の明細書」
    • 生命保険・地震保険 → 控除証明書
    • iDeCo → 小規模企業共済等掛金払込証明書
    • 住宅ローン控除1年目 → 残高証明書、登記事項証明書、売買契約書の写しなど
  • 副業がある場合 → 収入と経費がわかる記録(請求書・レシート・帳簿)

ふるさと納税をした人は、まずふるさと納税 上限額シミュレーターで 自分の上限額を確認しておくと、控除しきれない寄付がなかったかを検算できます。 手続きの全体像はふるさと納税の始め方にまとめています。

4. 作り方は3通り

① スマホ・PCで「確定申告書等作成コーナー」(おすすめ)

国税庁の 確定申告書等作成コーナー は無料で、画面の質問に答えていくだけで申告書ができます。マイナンバーカードをスマホで 読み取ればそのまま e-Tax で送信でき、印刷も郵送も不要です。会社員の還付申告なら、 慣れれば30分ほどで終わります。

② 会計ソフトを使う

副業や個人事業で取引が多い場合、青色申告で65万円控除を狙う場合は、会計ソフトのほうが 結果的にラクです。日々の記帳から申告書の出力までつながります。

③ 紙で書いて郵送・持参する

税務署や市区町村で用紙をもらい、手書きして提出する方法もあります。確実ではありますが、 計算ミスの修正が手間なので、いまはe-Taxが主流です。

5. e-Taxで提出するまでの流れ

  • ステップ1:作成コーナーで「所得税」を選ぶ
  • ステップ2:源泉徴収票の内容(支払金額・源泉徴収税額・社会保険料など)を入力する
  • ステップ3:控除を入力する(ふるさと納税、医療費、生命保険、iDeCo など)
  • ステップ4:副業などがあれば所得を追加する
  • ステップ5:計算結果(還付額または納付額)を確認する
  • ステップ6:還付先の口座を入力し、マイナンバーカードで署名して送信する

還付金は、e-Taxで送信した場合おおむね3週間前後で指定口座に振り込まれます (時期や混雑状況によります)。

6. つまずきやすいポイント

ワンストップ特例は、確定申告をすると無効になる

ふるさと納税でワンストップ特例を申請していても、医療費控除などで確定申告をすると 特例は取り消されます。確定申告をするなら、ふるさと納税分も申告書に 忘れず入れてください。入れ忘れると寄付分の控除がまるごと受けられません。

住民税には「20万円ルール」がない

副業の所得が20万円以下なら所得税の確定申告は不要ですが、 住民税は別途申告が必要です。お住まいの市区町村の窓口で手続きします。 ここは案内が少なく、見落とされやすいところです。

「収入」と「所得」は違う

20万円などの判定に使うのは所得(収入 − 必要経費)です。 売上が25万円でも経費が8万円なら所得は17万円なので、判定は所得のほうで行います。

期限に遅れるとペナルティがある

納税がある人が期限に遅れると、無申告加算税や延滞税がかかることがあります。 間に合わないとわかった時点でも、なるべく早く提出するほうが負担は小さくなります。

よくある質問

会社に副業がバレませんか?

住民税の徴収方法を「自分で納付(普通徴収)」にできる場合、給与から天引きされる住民税の額に 副業分が乗らないため、気づかれにくくなります。ただし自治体や副業の種類によって扱いが 異なり、必ずそうできるとは限りません。就業規則の確認も含めて、事前に調べておくのが安全です。

赤字でも申告したほうがいい?

事業所得で赤字が出た場合、青色申告なら赤字を翌年以降に繰り越せます。株式の譲渡損失も、 申告することで翌年以降3年間の利益と相殺できます(株の税金計算で 繰越損失を入れて試算できます)。「損した年こそ申告する価値がある」ケースがあるということです。

本記事は制度の概要を一般的な例でまとめたものであり、個別の申告内容の正確性を保証するものではありません。税額や適用可否は個々の事情や制度改正で変わります。判断に迷う場合は、国税庁の情報を確認するか税務署・税理士にご相談ください。

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このページの数値と出典

このページで使っている値と、その根拠です。制度の数値も各社の料金も改定されるため、 判断の前には出典元でお確かめください。

給与の手取り(所得税・住民税・社会保険料)2026年8月時点

  • 健康保険(本人負担)5.0%協会けんぽ全国平均10%の半分
  • 介護保険(40〜64歳・本人負担)0.8%
  • 厚生年金(本人負担)9.15%18.3%の半分
  • 雇用保険(本人負担)0.6%一般の事業
  • 所得税の基礎控除58〜95万円令和7年分から合計所得金額に応じた段階制。132万円以下は95万円
  • 住民税の基礎控除43万円
  • 住民税(所得割)10%
  • 住民税(均等割)5,000円自治体により差があります
  • 復興特別所得税所得税額の2.1%
  • 給与所得控除令和7年分以降の速算表最低保障額65万円(収入190万円以下)
  • 所得税の税率5%〜45%の7段階(累進)

社会保険料は全国平均の料率を年収に対して概算で掛けています。実際は標準報酬月額の等級表で決まり、加入している健康保険組合や都道府県によって変わります。扶養・生命保険料控除などの所得控除は含めていません。

出典: 国税庁「所得税の税率」国税庁「給与所得控除」国税庁「基礎控除」全国健康保険協会「保険料額表」日本年金機構「厚生年金保険の保険料」

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