パート・共働きの働き方と手取り

最終更新: 2026年7月21日

「扶養内に抑えたほうがいい?」「もっと働いたほうが得?」——パートや共働きでよく悩むテーマです。 この記事では、扶養の壁社会保険のしくみを整理し、 損をしない働き方の考え方をまとめます。

壁には「税金」と「社会保険」の2種類がある

年収の壁は1つではありません。大きく分けて税金の壁社会保険の壁があり、影響の大きさが違います。

  • 税金の壁(約100万・約160万・150万など):超えても増えた年収の一部に税金がかかるだけで、手取りが逆転して減ることはありません。
  • 社会保険の壁(106万・130万):超えると自分で社会保険料(年収の約15%)を払うため、手取りが一時的に下がります。

つまり、本当に注意すべきは社会保険の壁です。税金の壁は必要以上に恐れなくて 大丈夫です。自分の年収でどの壁を超えるかは 扶養の壁シミュレーターで確認できます。

「働き損」が起きる仕組み

社会保険の壁(130万円、対象の勤務先は106万円)を超えると、社会保険料の負担が一気に発生します。 そのため、年収は増えたのに手取りは減るという逆転が起きます。これが「働き損」です。

たとえば年収129万円と131万円を比べると、社会保険料が引かれるぶん131万円のほうが手取りが 少なくなることがあります。この現象は、壁の「すぐ上」で最も大きくなります。

損しない働き方の考え方

結論はシンプルです。「壁の手前に抑える」か「壁を大きく超える」か、どちらかに寄せることです。

  • 扶養内に抑える:社会保険の壁の手前(130万円未満、対象の勤務先は106万円未満)に 収めれば、社会保険料の負担なく働けます。子育て中で働ける時間が限られる場合などに向きます。
  • しっかり働く:社会保険料を払っても、年収150〜160万円を超えれば手取りは追いつきます。 さらに将来の年金が増え、傷病手当金や出産手当金も受けられるようになります。長い目で見ると メリットが大きい選び方です。

いちばん損をするのは、壁を少しだけ超える中間の年収帯。ここは避けるのが賢明です。

社会保険に入るメリットも忘れずに

社会保険料は「取られるだけ」ではありません。払うことで次のような保障が得られます。

  • 将来の年金が増える(厚生年金の上乗せ)
  • 傷病手当金:病気やケガで働けないとき、給与の約2/3が支給されます
  • 出産手当金:産休中に給与の約2/3が支給されます

これらは扶養のままでは受けられません。手取りの減少だけでなく、こうした保障も含めて 判断することが大切です。

世帯全体で考える

パートの年収は、配偶者側の税金(配偶者控除・配偶者特別控除)にも影響します。 世帯全体の手取りで考えると判断しやすくなります。 配偶者側の手取りは手取り計算機で確認できます。

働き方の見直しには、時給・月給・年収 換算残業代計算機有給休暇 付与日数もあわせてご活用ください。

本記事は一般的な考え方をまとめたものです。壁の金額や社会保険の要件は制度改正が続いており(2025年の見直しなど)、勤務先や自治体でも異なります。最新は勤務先・年金事務所・税務署でご確認ください。

このツールが使っている税率・料率は 2026年8月時点のものです。 使用している数値と出典を見る

このページの数値と出典

このページで使っている値と、その根拠です。制度の数値も各社の料金も改定されるため、 判断の前には出典元でお確かめください。

給与の手取り(所得税・住民税・社会保険料)2026年8月時点

  • 健康保険(本人負担)5.0%協会けんぽ全国平均10%の半分
  • 介護保険(40〜64歳・本人負担)0.8%
  • 厚生年金(本人負担)9.15%18.3%の半分
  • 雇用保険(本人負担)0.6%一般の事業
  • 所得税の基礎控除58〜95万円令和7年分から合計所得金額に応じた段階制。132万円以下は95万円
  • 住民税の基礎控除43万円
  • 住民税(所得割)10%
  • 住民税(均等割)5,000円自治体により差があります
  • 復興特別所得税所得税額の2.1%
  • 給与所得控除令和7年分以降の速算表最低保障額65万円(収入190万円以下)
  • 所得税の税率5%〜45%の7段階(累進)

社会保険料は全国平均の料率を年収に対して概算で掛けています。実際は標準報酬月額の等級表で決まり、加入している健康保険組合や都道府県によって変わります。扶養・生命保険料控除などの所得控除は含めていません。

出典: 国税庁「所得税の税率」国税庁「給与所得控除」国税庁「基礎控除」全国健康保険協会「保険料額表」日本年金機構「厚生年金保険の保険料」

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