新築戸建の購入の流れ
最終更新: 2026年8月11日
新築戸建には、完成済みを買う建売住宅と、土地から建てる注文住宅があり、 進め方が大きく違います。この記事では両方の流れ、省エネ性能で受けられる住宅ローン控除の条件、 入居後の確定申告でやることをまとめます。
購入の流れ(建売住宅)
- 物件探し・見学:土地と建物がセットで、完成済みか完成間近のことが多いです。
- 資金計画・ローン事前審査:住宅ローンシミュレーターで返済額を確認。
- 購入申込
- 売買契約・手付金:重要事項説明を受けて契約します。
- 住宅ローンの本審査・契約
- 引き渡し・残金決済・登記
- 入居
購入の流れ(注文住宅)
- 土地探し・予算決め:土地と建物の総額で資金計画を立てます。
- ハウスメーカー・工務店選び:間取りや仕様、省エネ性能を相談します。
- 間取り・見積もりの打ち合わせ
- 工事請負契約・建築確認申請
- 着工 → 上棟 → 完成:この間に着工金・中間金の支払いがあり、住宅ローンが実行される前の資金が必要な場合はつなぎ融資を利用します。
- 完成・引き渡し・残金決済・登記
- 入居
注文住宅は打ち合わせから入居まで半年〜1年以上かかることが多く、 土地の購入と建物の建築で契約や支払いが分かれる点が建売と大きく違います。
省エネ性能と住宅ローン控除
住宅ローン控除は、年末のローン残高の0.7%を13年間控除する制度です。 2024年以降、省エネ基準を満たさない新築は原則として対象外になりました。 性能で借入限度額が変わります(新築・2024年以降入居)。
- 認定長期優良住宅・低炭素住宅:4,500万円(子育て・若者夫婦世帯は5,000万円)
- ZEH水準省エネ住宅:3,500万円(同4,500万円)
- 省エネ基準適合住宅:3,000万円(同4,000万円)
- その他(省エネ基準を満たさない):原則 対象外
注文住宅では、依頼するハウスメーカーにどの性能で建てるかを早い段階で相談すると、 控除額が大きく変わります。性能を証明する住宅省エネルギー性能証明書や BELS評価書などを用意してもらいましょう。詳しくは 住宅省エネルギー性能証明書とは、 差額の試算は住宅省エネ性能でいくらお得かをご覧ください。
注文住宅は「支払いのタイミング」が建売とまったく違う
建売と注文の違いは、間取りの自由度よりもお金の出ていき方に表れます。 ここを知らずに進めると、契約後に資金繰りで慌てることになります。
建売:支払いは基本1回
完成済みの建物を土地とセットで買うので、手付金を除けば 引き渡し時に住宅ローンが1回実行されて決済が終わります。 流れとしては中古住宅の購入に近く、シンプルです。
注文:完成前に何度も支払いがある
注文住宅では、土地の決済 → 着工金 → 上棟金 → 竣工時の残金、というように 支払いが分割されます。ところが住宅ローンは建物が完成して登記できないと実行されません。 つまり、完成前の支払いに充てるお金が手元にないと詰まります。
これを埋めるのがつなぎ融資です。完成までの期間だけ借りて、 住宅ローンが実行されたら一括で返します。ただし、
- 金利は住宅ローンより高めで、その利息は住宅ローン控除の対象外
- 事務手数料・印紙代が別途かかる
- 取り扱っていない金融機関もある(分割実行に対応する銀行を選ぶ、という手もあります)
工期が延びればつなぎ融資の期間も延び、利息が増えます。 注文住宅を検討するなら、資金計画の相談は 間取りの打ち合わせより先にしておくのが安全です。
「坪単価」に入っていない費用で予算が膨らむ
注文住宅で「思ったより高くなった」となる原因は、ほぼこれです。 広告に出ている坪単価は本体工事費のことで、家が建って住める状態になるまでには その外側の費用がかかります。目安として、 総額のうち本体工事費は7〜8割程度と考えておくとずれにくくなります。
- 地盤改良 — 地盤調査の結果次第で必要になります。 工法によって数十万円から100万円超まで幅があり、 契約前には金額が確定しないのが厄介なところ。予備費を見ておきます。
- 付帯工事 — 給排水・ガスの引き込み、既存建物の解体、造成、仮設工事。 土地の条件によって大きく変わります。
- 外構(エクステリア) — 駐車場の土間、フェンス、門扉、植栽。 後回しにされがちですが、まとめてやると100万円台になることも。
- カーテン・照明・エアコン — 標準で含まないメーカーが多い部分です。
- 諸費用 — 登記、ローン手数料、火災保険、地鎮祭・上棟式など。
見積もりを比べるときは坪単価ではなく、 「これで引っ越して住める状態になる総額はいくらか」を各社に同じ条件で出させてください。 その総額を住宅ローンシミュレーターに入れて、 毎月の返済額が無理のない水準か確かめるのが順番です。
引き渡し前に確認する書類と検査
新築戸建は、建物が法令どおりに建てられたことを示す書類が残ります。 将来売るときにも必要になるので、受け取って保管してください。
- 建築確認済証 — 着工前に、計画が法令に適合していることの確認を受けた証明
- 検査済証 — 完成後の検査に合格したことの証明。これがない建物は将来の売却や増改築で不利になります
- 住宅性能評価書・省エネ性能の証明書 — 住宅ローン控除にも使います
- 地盤調査報告書、住宅瑕疵担保責任保険の付保証明
引き渡し前の施主検査では、傷や建具の動きに加えて、 コンセントの位置と数、収納の内寸、水回りの通水まで図面と照らして確認します。 建売でも同じで、「完成品だから」と省略しないほうがいい工程です。
その他の税制優遇
- 固定資産税の減額:新築の一戸建ては建物の固定資産税が3年間1/2に(認定長期優良住宅は5年間)。固定資産税シミュレーターで確認できます。
- 登録免許税・不動産取得税の軽減:要件を満たせば税率が下がります。
- 住宅取得資金の贈与の非課税:省エネ等住宅なら1,000万円、それ以外は500万円まで。贈与税シミュレーターで試算を。
入居後の確定申告でやること
住宅ローン控除は入居した翌年に一度だけ確定申告が必要です。2年目以降は年末調整で 手続きできます。手順は確定申告のやり方にまとめています。
主な必要書類
- 住宅ローンの年末残高証明書(土地と建物でローンが分かれる場合は両方)
- 建物・土地の登記事項証明書
- 工事請負契約書または売買契約書の写し
- 省エネ性能を示す証明書(住宅省エネルギー性能証明書、認定通知書など)
- 源泉徴収票、マイナンバー、還付先の口座情報
注文住宅で土地を先に取得した場合、土地のローンも控除の対象になることがあります。 書類が建物と土地で分かれるので、漏れなく用意しましょう。
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本記事は一般的な流れと制度の概要をまとめたものです。住宅ローン控除の限度額や要件は入居年・世帯・床面積・所得により変わり、制度改正も頻繁です。最新は国税庁・国土交通省の情報や、施工会社・金融機関・税務署にご確認ください。