中古戸建の購入の流れ

最終更新: 2026年8月11日

中古戸建は土地付きで割安に手に入りやすい一方、建物の状態や耐震性を自分で見極める必要があります。 この記事では購入の流れ、住宅ローン控除の条件(築年数・耐震)、確定申告でやることをまとめます。

購入の流れ

  1. 物件探し・内見:立地・価格に加え、建物の状態(築年数・構造・劣化)や土地の境界も確認します。
  2. 資金計画・ローン事前審査住宅ローンシミュレーターで返済額を試算。リフォーム費用も予算に入れます。
  3. インスペクション(住宅診断):任意ですが、雨漏り・シロアリ・基礎の状態などを専門家に見てもらうと安心です。
  4. 買付申込・価格交渉
  5. 売買契約・重要事項説明:手付金を支払い、土地の境界や設備の状態を確認します。
  6. 住宅ローンの本審査・契約
  7. 引き渡し・残金決済・登記
  8. リフォーム・入居

木造戸建は築20年を超える物件も多く、購入後にまとまったリフォームが必要になることがあります。 「物件価格+リフォーム費用」の総額で資金計画を立てることが大切です。

住宅ローン控除の条件(中古戸建のポイント)

中古戸建で住宅ローン控除を受けるには、築年数・耐震の要件を満たす必要があります。 木造は築年数が古い物件が多いため、ここが最初の関門になります。

  • 1982年1月1日以降に新築された住宅(新耐震基準)が原則。
  • それ以前でも、耐震基準適合証明書、既存住宅性能評価書(耐震等級1以上)、 既存住宅売買瑕疵保険への加入のいずれかがあれば対象になります。

借入限度額と控除期間は次のとおりです。

  • 認定住宅・ZEH水準・省エネ基準適合:3,000万円
  • その他(省エネ性能を問わない):2,000万円
  • 控除率0.7%、控除期間は10年

築古の物件では、購入前後に耐震改修を行って基準適合証明書を取得し、控除の対象にする ケースもあります。省エネ性能があれば限度額が3,000万円に上がるので、 住宅省エネ性能でいくらお得か(中古にチェック)で差額を確認できます。

インスペクション(住宅診断)で実際に見てもらうところ

中古戸建は「建物の状態がわからないまま買う」のがいちばん怖い買い物です。 マンションと違って管理組合が建物を面倒みてくれないので、 劣化の有無を判断する責任はすべて買主側にあります。

費用の目安は、目視中心の基本調査で5〜7万円程度、 床下・小屋裏にもぐる詳細調査まで含めると10万円前後。 会社によって幅があるので、何をどこまで見るのかを事前に確認してください。 数千万円の買い物の判断材料としては、安いほうです。

主に見るところ

  • 基礎のひび割れ — 幅が広いもの、貫通しているものは要注意
  • 雨漏りの痕 — 小屋裏のシミ、天井や壁のクロスの浮き
  • シロアリの被害 — 床下の土台、浴室まわり
  • 床の傾き — 一定以上の傾きは構造や地盤の問題を示すことがあります
  • 給排水管の劣化・漏れ — 交換すると壁や床を壊す工事になります
  • 外壁・屋根の劣化 — 塗り替えや葺き替えの時期が近いか

なお、宅建業者には媒介契約のときに インスペクション業者のあっせんができるかどうかを説明する義務があります。 「そういう制度がある」と知っていれば、こちらから頼めます。 検査の結果は既存住宅売買瑕疵保険の加入にもつながり、 これは前述の住宅ローン控除の要件をクリアする手段のひとつでもあります。

建物より土地のほうが問題になることがある

マンションにはない、戸建て特有の落とし穴がこちらです。 建物は直せますが、土地の条件は直せません

  • 境界が確定していない — 境界標がない、隣地と認識がずれている。 将来売るときや建て替えのときに揉めます。確定測量図があるか確認を。
  • 越境 — 隣家の屋根・雨樋・ブロック塀・樹木が敷地にはみ出している(逆もあります)。 覚書があるかどうかで扱いが変わります。
  • 接道・再建築不可 — 幅4m以上の道路に2m以上接していないと、 建て替えができない場合があります。この物件は住宅ローンが組みにくく、 価格が相場より安い理由がここにあることも。
  • 私道負担 — 敷地の一部が私道。持分や通行・掘削の承諾書の有無を確認します。
  • 擁壁・がけ地 — 古い擁壁は作り直しに数百万円かかることがあり、 自治体の条例で建築が制限される場合もあります。
  • ハザードマップ — 浸水想定・土砂災害警戒区域。 重要事項説明でも触れられますが、自分でも自治体の地図を見ておくと安心です。

維持費は自分で積み立てるしかない

マンションなら修繕積立金として強制的に集められますが、戸建ては誰も集めてくれません。 そのぶん月々の固定費は軽く見えますが、 時期が来たときにまとまった額が必要になるのは同じです。

  • 外壁の塗り替え — 10〜15年ごと。足場代を含めて100万円前後になることが多い
  • 屋根 — 塗装・カバー工法・葺き替えで金額が大きく変わります
  • 給湯器 — 10〜15年で交換。数十万円
  • シロアリの予防・駆除 — 5年ごとが目安とされます

中古戸建はすでに築年数が進んでいるぶん、これらの最初の1回が早く来ます。 築15年の物件なら、入居後まもなく外壁の時期にあたる可能性があります。 月1〜1.5万円程度を「自分専用の修繕積立金」として別口座に貯めておくと、 いざというときに慌てずにすみます。

その他の税制・費用のポイント

  • リフォーム減税:耐震・省エネ・バリアフリーなどの改修には専用の控除があります。中古戸建と相性がよい制度です。
  • 登録免許税・不動産取得税の軽減:要件を満たせば税率が下がります。
  • 仲介手数料:売買価格の約3%+6万円+消費税がかかります。
  • 住宅取得資金の贈与の非課税:援助を受ける場合は贈与税シミュレーターで確認を。

保有後の固定資産税は固定資産税シミュレーター、 将来売る場合の税金は不動産売却シミュレーターで試算できます。

入居後の確定申告でやること

住宅ローン控除は入居した翌年に一度だけ確定申告が必要です。2年目以降は年末調整で 手続きできます。手順は確定申告のやり方にまとめています。

主な必要書類

  • 住宅ローンの年末残高証明書
  • 建物・土地の登記事項証明書
  • 売買契約書の写し
  • 築年数の要件を満たすことがわかる書類(登記の新築年月日、または耐震基準適合証明書など)
  • 省エネ性能で3,000万円枠を使う場合はその証明書
  • 源泉徴収票、マイナンバー、還付先の口座情報

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本記事は一般的な流れと制度の概要をまとめたものです。住宅ローン控除の要件や限度額は入居年・築年数・耐震基準・所得などで変わり、制度改正もあります。最新は国税庁・国土交通省の情報や、仲介会社・金融機関・税務署にご確認ください。

このツールが使っている控除の条件と上限は 2026年8月時点のものです。 使用している数値と出典を見る

このページの数値と出典

このページで使っている値と、その根拠です。制度の数値も各社の料金も改定されるため、 判断の前には出典元でお確かめください。

住宅ローン・住宅ローン控除2026年8月時点

  • 住宅ローン控除の控除率年末残高の0.7%
  • 借入限度額(認定長期優良住宅・低炭素)4,500万円子育て世帯等は5,000万円
  • 借入限度額(ZEH水準省エネ住宅)3,500万円子育て世帯等は4,500万円
  • 借入限度額(省エネ基準適合住宅)3,000万円子育て世帯等は4,000万円
  • 借入限度額(中古・認定/ZEH/省エネ)3,000万円
  • 借入限度額(中古・その他)2,000万円
  • 返済負担率年収400万円未満30%/400万円以上35%フラット35の基準
  • 抵当権設定の登録免許税借入額の0.4%
  • 金銭消費貸借契約書の印紙税1,000万円超5,000万円以下で2万円

住宅ローン控除は入居年・住宅の性能・世帯の状況によって条件が細かく分かれ、改正も頻繁です。審査金利や返済負担率は金融機関ごとに異なります。実際の借入可否と条件は金融機関の審査によります。

出典: 国税庁「住宅借入金等特別控除」国土交通省「住宅ローン減税」住宅金融支援機構「フラット35」国税庁「印紙税額の一覧表」

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