住宅省エネルギー性能証明書とは
最終更新: 2026年7月21日
家を買うときに出てくる「住宅省エネルギー性能証明書」。聞き慣れない書類ですが、 これがあるかないかで受けられる税制優遇が数百万円単位で変わることがあります。 この記事では、何のための書類か、どう手に入れるか、いくらお得になるかを順番に説明します。
何のための書類か
ひとことで言うと、その家が省エネ基準を満たしていることを公的に示す書類です。 2024年以降、住宅の税制優遇の多くが「省エネ性能」と結びつけられました。 口頭で「性能はいい家です」と言うだけでは優遇は受けられず、 書類で証明する必要があります。その証明手段の一つがこの証明書です。
次のような場面で使います。
- 住宅ローン控除を受けるとき(新築で省エネ基準の証明が必要)
- 住宅取得等資金の贈与税の非課税で、非課税枠を1,000万円にするとき
- 登録免許税や不動産取得税の軽減を受けるとき
いちばん大きいのは住宅ローン控除への影響
2024年以降に建築確認を受けた新築住宅は、省エネ基準を満たすことを証明できないと 住宅ローン控除がまったく使えません。これは非常に大きな変更でした。
省エネ基準適合を証明できれば、借入限度額3,000万円分について13年間で 最大270万円ほどの控除が受けられます。ZEH水準ならさらに大きくなります。 具体的な金額は住宅省エネ性能でいくらお得かのシミュレーターで、 自分の借入額を入れて確認できます。
贈与税の非課税枠にも効く
親や祖父母から住宅資金の援助を受ける場合、非課税で受け取れる金額が 省エネ等住宅なら1,000万円、それ以外は500万円と倍違います。 援助を受けて家を買うなら、証明書は控除と贈与の両方で効いてきます。
どうやって取得するか
次のいずれかの専門家・機関に依頼して発行してもらいます。
- 建築士(設計・工事監理を行った建築士事務所)
- 登録住宅性能評価機関
- 指定確認検査機関
- 住宅瑕疵担保責任保険法人
なお、設計住宅性能評価書やBELS評価書を持っていれば、 それで代替できます。すでにこれらがある場合は、あらためて証明書を取る必要はありません。
発行費用は数万円程度が目安です。住宅ローン控除の増加分を考えれば、 多くの場合は十分に元が取れます。
取り忘れが起きやすい
いちばん多い失敗が「性能は基準を満たしているのに、書類を用意していなくて優遇を逃す」 というものです。性能と証明書は別物で、証明書がなければ税制上は 性能がないのと同じ扱いになってしまいます。
新築を計画するときは、契約前の早い段階でハウスメーカーや工務店に 「住宅ローン控除に必要な省エネ性能の証明書を出してもらえますか」と確認しておきましょう。 多くの場合、建築の過程で取得できます。
いつまでに必要か
住宅ローン控除の1年目は確定申告が必要で、そのときにこの証明書を添付します。 入居した翌年の確定申告に間に合うよう、引き渡しまでに取得しておくのが 安全です。確定申告そのものの流れは 確定申告のやり方にまとめています。
本記事は制度の概要を一般的にまとめたものです。適用要件や限度額は入居年・住宅の種類・世帯構成・制度改正により変わり、実際の控除額を保証するものではありません。詳細は国税庁・国土交通省の情報や、住宅の施工会社・税務署にご確認ください。