結婚したときのお金と手続き
最終更新: 2026年8月9日
結婚で変わるお金は、働き方(扶養に入るか)・ 税金(配偶者控除)・住まいの3つに整理できます。
とくに最初の「扶養に入るか」は、感覚で決めると損をしやすい部分です。 金額で確かめながら進めてください。
1. 扶養に入るかどうか
「103万円の壁」がよく話題になりますが、この数字は令和7年分の改正で 配偶者控除の123万円と所得税がかかり始める160万円に分かれました。 そして手取りへの影響がいちばん大きいのは、いまも106万円と130万円の壁です。 税金の壁より、社会保険の壁のほうが金額が大きいためです。
| 年収 | 何が起きるか | 影響 |
|---|---|---|
| 123万円 | 配偶者控除(38万円)の上限 | 小さい(超えても配偶者特別控除が続く) |
| 106万円 | 条件を満たすと社会保険に加入 | 大きい(手取りが十数万円減る) |
| 130万円 | 扶養から外れて社会保険に加入 | 大きい(同上) |
| 150万円 | 配偶者特別控除が減り始める | 中くらい(段階的に減少) |
| 160万円 | 本人に所得税がかかり始める | 小さい(超えた分にだけ課税) |
重要なのは、壁を超えた直後は手取りが減るものの、 働く時間を増やせば必ず取り戻せるという点です。 「壁の手前で止める」より「思い切って超える」ほうが、世帯の手取りが増えることは多くあります。
さらに社会保険に入ると、将来の年金が増え、傷病手当金や出産手当金も受けられる ようになります。目先の手取りだけで判断しないほうがよい理由です。
2. 税金で変わること
配偶者控除・配偶者特別控除
配偶者の年収が103万円以下なら、納税者側の所得から38万円が控除されます。 実際に減る税額は納税者の税率次第で、課税所得300万円台なら年7〜8万円程度です。
103万円を超えても150万円までは配偶者特別控除で同額が受けられ、 そこから段階的に減って201万円で消えます。 「103万円を1円でも超えたら全部なくなる」という誤解が多いので注意してください。
住民税は翌年に効いてくる
住民税は前年の所得にかかります。 結婚した年に働き方を変えても、住民税に反映されるのは翌年です。 家計の見通しを立てるときは、この1年のずれを織り込んでおいてください。
年末調整で申告する
配偶者控除は年末調整で申告しないと受けられません。 結婚した年の秋に配られる書類に、配偶者の氏名と見込み年収を記入します。
3. 住まいを決める
結婚を機に住み替える場合、賃貸を続けるか購入するかで迷うことになります。 判断の軸は損得より「何年住むか」と「転勤・転職の可能性」です。
- 5年以内に動く可能性がある:賃貸が無難です。 購入すると諸費用(物件価格の6〜9%)を回収する前に手放すことになります
- 10年以上住む見込み:購入を検討する価値があります
- 子どもの予定がある:必要な広さが変わるので、 時期を含めて考えたほうが失敗しません
なお、住宅ローンを共働きで組む場合(ペアローン・連帯債務)は、 持分割合と負担割合がずれると贈与とみなされることがあります。 名義の決め方は契約前に確認してください。
4. 二人の家計をどう組むか
家計の分け方に正解はありませんが、よくあるのは次の3つです。
| 方式 | 内容 | 向いている場合 |
|---|---|---|
| 完全共有 | 収入をまとめて共通口座で管理 | 収入差が大きい/貯蓄を優先したい |
| 費目分担 | 家賃・食費・光熱費など、費目ごとに担当を決める | 収入が近い/お互いの自由度を保ちたい |
| 共通口座+各自 | 決めた額を共通口座に入れ、残りは各自 | いちばん採用されやすい折衷案 |
どの方式でも、「毎月いくら貯めるか」を先に決めて、残りで生活する のが貯まる家計の基本です。余った分を貯めようとすると、たいてい余りません。
5. 固定費を一度だけ見直す
同居を始めるタイミングは、固定費を見直す絶好の機会です。 一度手を入れれば効果が毎月続きます。
- スマホ:家族割の適用や、二人まとめて格安プランへ
- サブスク:同じサービスを二人で契約していないか。ファミリープランに変更できるものも
- 保険:独身時代のままになっていないか
- 電気・ガス:契約が二重になっていないか
手続きのチェックリスト
役所
- 婚姻届の提出
- 住民票の異動(引っ越す場合)
- マイナンバーカードの氏名・住所変更
勤務先
- 氏名・住所の変更届
- 配偶者を扶養に入れる場合は健康保険の手続き
- 年末調整で配偶者控除を申告
その他
- 銀行口座・クレジットカードの名義変更
- 運転免許証の記載事項変更
- 生命保険の受取人の変更
本記事は一般的な制度の説明であり、個別の判断ではありません。扶養の要件・控除額・社会保険の適用条件は制度改正で変わり、加入している健康保険組合によっても取り扱いが異なります。実際の手続きは勤務先・市区町村の窓口でご確認ください。