住宅ローン控除の確定申告

最終更新: 2026年8月2日

家を買った翌年、会社員でも1回だけ確定申告が必要になります。 これを済ませないと、住宅ローン控除は1円も受けられません。

控除額は年末残高の0.7000000000000001%で、13年間続きます。 借入3,000万円なら初年度で20万円前後が戻る計算なので、 手続きの手間に対して見返りがきわめて大きい手続きです。

この記事でわかること

  • なぜ初年度だけ確定申告が必要なのか
  • 集める書類(どこでもらうか、いつ届くか)
  • 申告の時期と手順
  • 2年目以降のラクなやり方
  • 忘れたとき・借り換えたときの扱い

なぜ初年度だけ確定申告が必要なのか

住宅ローン控除は、本人が住んでいること・住宅が要件を満たしていることを 国が確認する必要があります。登記事項証明書や売買契約書は勤務先では確認できないため、 最初の1回は税務署に直接出す仕組みになっています。

2年目以降は、その確認が済んでいるので年末調整で完了します。 面倒なのは最初の1回だけです。

自営業・フリーランスの方は、もともと毎年確定申告をするため、その中で申告します。 手順は確定申告のやり方もあわせてご覧ください。

集める書類

いちばんつまずくのがここです。入手先と届く時期がバラバラなので、 早めに手元を確認してください。

書類 入手先 メモ
住宅ローンの年末残高等証明書 借入した金融機関 10〜11月ごろに郵送されます。再発行に時間がかかるので紛失注意
登記事項証明書 法務局 オンライン請求も可能。床面積の確認に使われます
売買契約書・工事請負契約書の写し 手元の契約書 取得価額と契約日を確認するため
源泉徴収票 勤務先 12月〜1月に配布。申告書に転記します
マイナンバーカード 本人 e-Taxで使います。ない場合は通知カード+本人確認書類
省エネ性能の証明書 建築士・検査機関など 該当する場合のみ。後述します

省エネ性能の証明書を忘れない

2024年以降に建築確認を受けた新築住宅は、省エネ基準を満たしていないと 住宅ローン控除の対象外になりました。そして性能によって借入限度額が変わります。

性能区分 借入限度額(新築) 子育て世帯等
認定長期優良住宅・低炭素住宅 4,500万円 5,000万円
ZEH水準省エネ住宅 3,500万円 4,500万円
省エネ基準適合住宅 3,000万円 4,000万円
その他の住宅(証明なし) 対象外(2024年以降の建築確認)

中古住宅の限度額は、認定住宅・ZEH水準・省エネ基準適合が 3,000万円、 それ以外が2,000万円です。

証明書の取り方と、性能によっていくら差が出るかは 住宅省エネ性能証明書とは住宅省エネ性能でいくらお得かで確認できます。 証明書がないと限度額が下がる、または対象外になるため、 引き渡しの前に売主・施工会社へ確認しておくのが確実です。

いつ申告するか

入居した年の翌年に申告します。ここで多くの人が誤解しているのが期間です。

  • 会社員で還付を受けるだけの場合: 2月16日を待つ必要はなく、1月1日から申告できます。 期限も5年間あるので、3月15日にも縛られません。
  • 自営業など納税がある場合: 通常どおり2月16日〜3月15日です。

混雑する2月下旬〜3月を避け、書類がそろう1月中に出すのがおすすめです。 還付も早く受け取れます。

申告の手順

  1. 国税庁「確定申告書等作成コーナー」を開く: スマホでも作成できます。会計ソフトは不要です。
  2. 源泉徴収票の内容を入力する: マイナポータル連携を使うと自動入力できる項目もあります。
  3. 「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除」を選ぶ: 画面の質問に沿って、入居日・取得価額・床面積・年末残高を入れていきます。
  4. 控除額が自動計算される: 年末残高と限度額の小さいほうに0.7000000000000001%を掛けた額です。
  5. e-Taxで送信するか、印刷して提出する: e-Taxならマイナンバーカードとスマホで完結し、添付書類の一部も省略できます。

還付金は、e-Taxなら3週間程度、紙の提出なら1〜2か月程度で 指定口座に振り込まれます。

2年目以降は年末調整でOK

初年度の申告を済ませると、10月ごろに税務署から 「年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書」が届きます (残りの年数分がまとめて届きます。なくさないよう保管してください)。

2年目以降は、次の2枚を勤務先に出すだけです。

  1. 税務署から届いた申告書兼証明書(その年の分)
  2. 金融機関から届く年末残高等証明書

書き方は年末調整の書き方にまとめています。 戻る金額の目安は年末調整シミュレーターで試算できます。

つまずきやすいポイント

床面積は「登記上」の数字で判定される

要件は原則50㎡以上(一定の場合は40㎡以上)ですが、 これは登記事項証明書に書かれた面積で判定されます。 パンフレットの表示面積とは測り方が違い、マンションでは登記上の面積のほうが小さくなります。 50㎡ぎりぎりの物件は、契約前に登記面積を確認してください。

合計所得金額の上限がある

その年の合計所得金額が2,000万円を超える年は、控除を受けられません。 控除が使えない年があっても、翌年に所得が下がれば再び受けられます。

ふるさと納税との併用に注意

住宅ローン控除は所得税から直接引く控除なので、 引かれる税金がなくなるとふるさと納税の控除枠を使い切れないことがあります。 ワンストップ特例なら影響は小さくなりますが、 確定申告をする年はふるさと納税の上限額を 少なめに見ておくと安全です。

共有名義・ペアローンは人数分の申告が必要

夫婦それぞれがローンを組んでいる場合、2人とも確定申告します。 持分割合と借入割合が大きくずれていると贈与とみなされることがあるため、 気になる場合は贈与税シミュレーターで確認してください。

借り換えたときの扱い

一定の要件を満たせば、借り換えても控除は続きます。ただし次の点に注意してください。

  • 新しい金融機関の年末残高証明書で申告します
  • 控除の期間は延びません。当初の入居年から数えた年数のままです
  • 借り換えで借入額が増えた場合、増えた部分は控除の対象外になることがあります

借り換えで諸費用を引いた実質メリットがいくらになるかは、 住宅ローン借り換えシミュレーターで計算できます。 控除が続く前提で得かどうかを見てから判断してください。

忘れていた場合

還付申告は5年間さかのぼれます。3年前に入居して申告を忘れていた場合でも、 今から申告すれば過去分を受け取れます。

ただし、申告するまでは2年目以降の年末調整に必要な証明書が届きません。 気づいた時点で早めに手続きしてください。

関連するツール

本記事は一般的な制度の説明であり、個別の税務判断ではありません。住宅ローン控除の要件(入居時期・床面積・所得・住宅の性能など)は改正が頻繁で、個別の事情によって適用可否が変わります。実際の申告にあたっては国税庁の情報を確認するか、税務署・税理士にご相談ください。運営者は税理士等の有資格者ではありません。

このツールが使っている控除の条件と上限は 2026年8月時点のものです。 使用している数値と出典を見る

このページの数値と出典

このページで使っている値と、その根拠です。制度の数値も各社の料金も改定されるため、 判断の前には出典元でお確かめください。

住宅ローン・住宅ローン控除2026年8月時点

  • 住宅ローン控除の控除率年末残高の0.7%
  • 借入限度額(認定長期優良住宅・低炭素)4,500万円子育て世帯等は5,000万円
  • 借入限度額(ZEH水準省エネ住宅)3,500万円子育て世帯等は4,500万円
  • 借入限度額(省エネ基準適合住宅)3,000万円子育て世帯等は4,000万円
  • 借入限度額(中古・認定/ZEH/省エネ)3,000万円
  • 借入限度額(中古・その他)2,000万円
  • 返済負担率年収400万円未満30%/400万円以上35%フラット35の基準
  • 抵当権設定の登録免許税借入額の0.4%
  • 金銭消費貸借契約書の印紙税1,000万円超5,000万円以下で2万円

住宅ローン控除は入居年・住宅の性能・世帯の状況によって条件が細かく分かれ、改正も頻繁です。審査金利や返済負担率は金融機関ごとに異なります。実際の借入可否と条件は金融機関の審査によります。

出典: 国税庁「住宅借入金等特別控除」国土交通省「住宅ローン減税」住宅金融支援機構「フラット35」国税庁「印紙税額の一覧表」

サイト全体で使っている数値の一覧は 計算の根拠と出典にまとめています。 一次情報と突き合わせた記録も同じページに公開しています。