手取り率が下がるのは、税率だけが理由ではない
「年収が上がると税率が上がるから手取り率が下がる」と説明されがちですが、それだけではありません。年収700万円と1,000万円はどちらも所得税率20%の帯にいますが、手取り率は75.9%と72.7%で3.2ポイント違います。税率が同じでも差がつくのは、給与所得控除が年収850万円で195万円に止まるうえ、帯の中でも20%で課税される部分の割合が増えていくからです。反対に社会保険料は、厚生年金保険料の上限(年収約780万円)を超えると増え方が鈍るので、この差を広げる側には働きません。税率の階段だけを見ていると、この連続的な目減りを見落とします。
控除できる額が固定されると、自分で作る控除の価値が上がる
給与所得控除が増えなくなると、所得を減らす手段は自分で用意するものだけになります。iDeCo、生命保険料控除、医療費控除、ふるさと納税。いずれもこの年収帯では所得税20%+住民税10%が効くため、支出1万円あたり約3,000円が戻ります。年収400万円台の人が同じことをしても約1,500円なので、効き方が倍ちがう。控除の話は年収が高いほど真剣に検討する価値があります。