医療費が高額になったときのお金
最終更新: 2026年7月21日
入院や手術で医療費が高額になると不安になりますが、日本の公的制度は思った以上に手厚いです。 「払う医療費を抑える」「働けない間の収入を補う」 「税金で取り戻す」の3つの制度を、順番に整理します。
① 高額療養費 ― 払う医療費を抑える
1ヶ月の医療費の自己負担には、所得に応じた上限があります。上限を超えた分は 高額療養費として払い戻されます。年収約370〜770万円の人なら、総医療費100万円でも 自己負担は約8.7万円で済みます。
入院前に限度額適用認定証(またはマイナ保険証)を用意しておけば、窓口での 支払いが最初から上限額までになり、大きな立て替えが不要です。まずこれを使うのが第一歩です。 金額は高額療養費シミュレーターで確認できます。
② 傷病手当金 ― 働けない間の収入を補う
病気やケガで働けず給与が出ないときは、健康保険から傷病手当金が支給されます。 標準報酬日額の3分の2が、連続3日の待期のあと、通算1年6ヶ月まで受け取れます(非課税)。
医療費だけでなく「働けないことによる収入減」を補える点が重要です。金額は 傷病手当金シミュレーターで試算できます。なお、これは会社員などの 健康保険の制度で、自営業(国民健康保険)にはありません。
③ 医療費控除 ― 税金で取り戻す
1年間の医療費(高額療養費や保険金で戻った分を除く)が10万円を超えた場合、 確定申告で医療費控除を受けられます。戻る金額は「控除額×税率」で、 家族全員分を合算できます。手順は医療費控除のやり方に まとめています。
使う順番と関係
- 入院前:限度額適用認定証を用意(またはマイナ保険証)
- 治療中:高額療養費で自己負担を上限まで抑える/働けなければ傷病手当金を申請
- 翌年の確定申告:自己負担が10万円を超えていれば医療費控除で取り戻す
注意点として、医療費控除の計算では高額療養費や保険金で戻った分を差し引きます。 「戻ってきたお金」を二重に控除することはできません。
民間の医療保険は必要?
公的制度でここまでカバーされるため、貯蓄が十分にあれば民間の医療保険は必須ではありません。 一方で、差額ベッド代(個室代)・食事代・先進医療費・収入減など、公的制度でカバーされない 部分に備えたい場合は、民間保険が選択肢になります。まずは公的制度でどこまで守られるかを 知ったうえで、足りない部分を検討するのが賢い順番です。
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本記事は一般的な制度の概要をまとめたものです。上限額・要件・支給額は所得や加入先、制度改正で変わります。最新は加入先の健康保険・税務署でご確認ください。