医療費控除のやり方
最終更新: 2026年7月21日
医療費が多かった年は、確定申告で医療費控除を受けると税金が戻ります。 「手続きが面倒そう」と敬遠されがちですが、コツをつかめば難しくありません。 この記事では、対象の確認から申告までを順番に説明します。 戻る金額の目安は医療費控除シミュレーターで先に確認できます。
ステップ1:対象になるか確認する
1年間(1月〜12月)の医療費が、次の金額を超えていれば対象です。
医療費 − 保険金など > 10万円(所得200万円未満は所得の5%)
ポイントは、生計を同じくする家族の分を合算できること。 本人・配偶者・子・仕送りしている親などの医療費を合わせると、10万円を超えることがよくあります。
対象になるもの
- 病院・歯科の診察・治療費、処方薬代
- 入院費(差額ベッド代は原則対象外)
- 通院の交通費(電車・バス。自家用車のガソリン・駐車場代は対象外)
- 市販の風邪薬・胃薬など治療のための薬
- 出産費用、歯の治療(保険外の金歯なども一定範囲で対象)
- 治療のためのマッサージ・鍼灸(国家資格者によるもの)
対象にならないもの
- 健康診断・人間ドック(病気が見つからなければ)
- 予防接種、健康増進のサプリ・ビタミン剤
- 美容目的の施術、日常生活用のメガネ・コンタクトの購入
ステップ2:医療費を集計する
領収書やレシートを、人ごと・病院ごとにまとめて金額を合計します。 健康保険から届く「医療費のお知らせ」を使うと、この集計を大幅に省けます (記載分は明細の記入を省略できます)。通院の交通費は別途メモしておきましょう。
ステップ3:明細書を作る
以前は領収書を提出していましたが、今は「医療費控除の明細書」を作って提出します (領収書は自宅で5年間保管)。国税庁の確定申告書等作成コーナーを使えば、 画面に入力するだけで明細書と申告書が同時にできあがります。
ステップ4:確定申告する
医療費控除は年末調整ではできないため、確定申告が必要です。 源泉徴収票の内容と医療費の明細を入力し、e-Taxで送信するかプリントして提出します。 会社員の還付申告なら、慣れれば30分ほどで終わります。 全体の流れは確定申告のやり方で解説しています。
セルフメディケーション税制という選択肢
医療費が10万円に届かない年でも、対象の市販薬を年12,000円以上買っていれば セルフメディケーション税制で控除を受けられます(上限88,000円)。 対象の薬にはパッケージに専用マークがあり、レシートにも印が付きます。
ただし医療費控除とはどちらか一方しか使えません。 医療費控除シミュレーターで市販薬の金額を入れると、 両方を計算して有利なほうを教えてくれます。
忘れていても5年さかのぼれる
「去年出し忘れた」という場合も、還付申告は5年間さかのぼれます。 過去に医療費が多かった年(出産・入院・手術のあった年など)があれば、 今からでも申告して税金を取り戻せる可能性があります。
よくある質問
共働きはどちらで申告するとお得?
家族の医療費は、収入が多い(税率が高い)人がまとめて申告するほうが 戻る金額が大きくなります。シミュレーターで両方の年収を入れて比べてみてください。
クレジットカードで払った分も対象ですか?
支払い方法は問いません。カード払いでも対象です。利用明細やレシートを保管しておきましょう。
本記事は一般的な手続きをまとめたものです。対象の可否や金額は個々の状況・制度改正で変わります。判断に迷う場合は国税庁の情報を確認するか、税務署にご相談ください。