AI副業は、時給いくらになるのか
最終更新: 2026年8月12日
「AI副業で月5万円」という記事はたくさんあります。 ただ、そこにかけた時間が書かれていないことが多い。 そして税金が引かれていないことは、もっと多い。
月いくらではなく、時間あたりいくらだったのかを計算しました。 続けるかどうかを決めるには、この数字のほうが役に立ちます。
計算した結果
前提:本業の年収500万円(時給に直すと約¥2,604)。 副業の所得は本業と合算して課税されるので、税率はここから決まります。 経費はAIツールの利用料などを想定しています。
| 月の売上 | 月の時間 | 売上の時給 | 経費を引くと | 税金も引くと | 本業比 |
|---|---|---|---|---|---|
| ¥10,000 | 20時間 | ¥500 | ¥350 | ¥279 | 10.7% |
| ¥30,000 | 20時間 | ¥1,500 | ¥1,350 | ¥1,077 | 41.4% |
| ¥30,000 | 40時間 | ¥750 | ¥675 | ¥539 | 20.7% |
| ¥50,000 | 30時間 | ¥1,667 | ¥1,500 | ¥1,197 | 46% |
| ¥100,000 | 40時間 | ¥2,500 | ¥2,375 | ¥1,895 | 72.8% |
| ¥200,000 | 60時間 | ¥3,333 | ¥3,167 | ¥2,353 | 90.4% |
よく目標にされる月3万円は、20時間かけたとして 税引後の時給が¥1,077。 本業の時給の41.4%です。 月20万円を60時間かけて達成しても、まだ本業の90.4%にとどまります。
なぜここまで下がるのか
3段階で目減りします。
- 時間で割る。 ここがいちばん大きい。月3万円でも、40時間かけていれば時給750円です。 「いくら稼いだか」だけ見ていると、この段階が飛ばされます。
- 経費を引く。 AIツールの月額、素材の購入、通信費。 月3,000円でも、売上が小さいうちは無視できない割合になります。
- 税金を引く。 ここが見落とされがちです。副業の所得は本業の給与と合算して課税されます。 年収500万円の方なら、副業の所得には 所得税と住民税あわせて約20.2%かかります。
とくに3つめ。本業の年収が高い人ほど、副業の手取りは減ります。 同じ売上でも、年収900万円の人と年収300万円の人では残る額が違います。 「みんなが月5万円稼いでいる」という話は、手取りでは同じ額になりません。
それでも副業をやる意味があるとき
時給が本業を下回るなら意味がない、という話ではありません。 時給以外の理由があるなら、続ける価値があります。
- 時間が積み上がるタイプの副業 — 書いたものが残って収入を生み続けるなら、初期の時給は投資です。 逆に、毎回ゼロから作業するタイプは時給がそのまま実力です。
- 本業で得られない経験がある — 自分で値段をつける、直接お客と話す。この経験は本業の給料には表れません。
- 本業の時間を増やせない — 残業ができない、副業しか選択肢がない。この場合は本業との比較に意味がありません。
- 収入源を分けたい — 金額の問題ではなく、1つの会社に依存しないことに価値を置く考え方です。
逆に、「時間さえかければ稼げる」タイプの作業で 本業の時給を大きく下回っているなら、その時間を本業の勉強や休息に使ったほうが 合理的なことが多くなります。判断に必要なのは根性ではなく、この比較です。
AIを使う副業で、単価が下がりやすい理由
生成AIで作れるものは、作れる人が増えます。 文章、画像、簡単な動画。 2〜3年前は技術が要ったものが、いまは誰でもそこそこの品質で作れます。
その結果、「AIで作れる範囲の成果物」の単価は下がっていきます。 供給が増えれば価格が下がるのは当然の動きで、 これは努力で覆せる部分ではありません。
時給が保てるのは、AIを使う作業そのものではなく、 その手前と後ろに自分の判断がある場合です。
- 何を作るべきかを決められる(相手の課題がわかっている)
- 出てきたものの良し悪しを判断できる(その分野の知識がある)
- 責任を引き受けられる(間違いを直せる、説明できる)
ここが自分にない分野で始めると、AIが作れる範囲の値段にしかなりません。
始める前に決めておくこと
- 時間を記録する。 これをやらないと、時給が計算できません。 調べる時間・やり直す時間・連絡する時間も全部入れます。
- 撤退の基準を先に決める。 「3か月やって時給1,000円を下回っていたらやめる」のように、 始める前に決めておきます。始めた後だと決められません。
- 税金の扱いを確認する。 年間の所得が¥200,000を超えると確定申告が必要です。 超えなくても住民税の申告は必要で、ここは誤解が多い部分です (20万円ルールの誤解)。
- 会社にどう伝わるかを把握する。 副業の種類によって、住民税の通知で会社に伝わるかどうかが変わります (住民税で会社に伝わる仕組み)。
自分の数字で計算する
- 副業の確定申告シミュレーター — 申告が必要か、税金がいくら増えるか
- AI導入の費用対効果 — ツールの利用料の元が取れているか
- 時給・月収の換算 — 本業の時給を出す
- 副業の経費はどこまで認められるか — 家事按分の考え方
本記事の金額は概算です。副業の所得にかかる税率は本業の年収と各種控除で変わり、ここでは基礎控除と社会保険料控除のみを考慮しています。本業の時給は年収を年1,920時間で割った目安です。収入の見込みや単価は分野・時期によって大きく異なり、特定の副業を推奨するものではありません。勤務先の副業に関する規程は就業規則をご確認ください。