失業保険は、いつから・いくら・何日もらえるのか

最終更新: 2026年8月12日

この制度でいちばん大きいのは金額そのものではなく、 辞め方によって総額が2倍近く変わることです。 同じ月給、同じ勤続年数でも、です。

自己都合と会社都合の差

月給30万円(額面・賞与を除く)、35歳、雇用保険に5年入っていた場合。

自己都合 会社都合
1日あたり ¥6,307 ¥6,307
もらえる日数 90日 180日
総額 ¥567,630 ¥1,135,260
受け取り始めるまで 約37日 7日

日額は同じなのに、総額で¥567,630の差。 さらに受け取り始めるまでの日数も 37日と7日で約1か月違います。 辞める前に貯めておくべき生活費が、そのぶん変わります。

会社都合になるのは、解雇だけではありません

「自分から辞めたら自己都合」と思われがちですが、 自分から辞めても会社都合(特定受給資格者など)として扱われるケースがあります。

  • 残業が一定期間続いた(月45時間超が3か月続いた、など)
  • 賃金が大幅に下がった、支払いが遅れた
  • ハラスメントを受けた
  • 採用時の条件と実際が違った
  • 転勤で通勤が著しく困難になった
  • 家族の介護、本人の病気やケガ(正当な理由のある自己都合)

これらは証拠が要ります。タイムカード、給与明細、 医師の診断書、やりとりの記録。 辞めてからでは集められません。 心当たりがあるなら、在職中に手元へ残しておいてください。 判断するのは会社ではなくハローワークです。

日数は年齢と勤続年数で決まる

会社都合の場合の日数と総額(月給30万円)。

年齢/勤続 会社都合の日数 会社都合の総額 自己都合の日数
30歳/3年 120日 ¥756,840 90日
35歳/5年 180日 ¥1,135,260 90日
40歳/12年 240日 ¥1,513,680 120日
45歳/12年 270日 ¥1,702,890 120日
55歳/20年 330日 ¥2,081,310 150日

会社都合は年齢が上がるほど、勤続が長いほど日数が増えます。 再就職に時間がかかる人ほど手厚くする、という考え方です。 自己都合の場合は年齢による差がなく、勤続年数だけで決まります。

月給が高くても、上限があります

月給 1日あたり 月あたりに直すと 元の月給に対して
20万円 ¥5,037 ¥151,110 76%
30万円 ¥6,307 ¥189,210 63%
45万円 ¥7,500 ¥225,000 50%
70万円 ¥8,270 ¥248,100 35%

月給が20万円から70万円へ3.5倍になっても、 日額は2倍未満にしかなりません。 年齢ごとの上限があるためです。 収入が高い人ほど、失業保険でカバーされる割合は小さくなります。 その前提で貯蓄を用意しておく必要があります。

受け取るまでの流れ

  1. 離職票を受け取る(退職後10日〜2週間)。 会社から届きます。届かない場合は催促を。ここが遅れると全部後ろにずれます。
  2. ハローワークで求職の申し込み。 離職票、本人確認書類、写真、通帳を持っていきます。 この日が起点になるので、早いほうが有利です。
  3. 待期期間7日。 この間は理由を問わず支給されません。
  4. 自己都合なら、さらに給付制限。 ここで原則1か月空きます(2025年4月以降の離職。それより前は2か月)。会社都合ならこれがありません。
  5. 認定日ごとに、失業の状態を申告する。 原則4週間に1回。求職活動の実績が必要です。
  6. 指定した口座に振り込まれる。 認定から約1週間後です。

注意したいのは、「もらい始めるまで」と「振り込まれるまで」は別だという点です。 自己都合だと、退職から最初の入金まで3か月以上かかることも珍しくありません。 その間の生活費と、退職後にかかる健康保険・年金・住民税は自分で払います。

早く再就職すると損か

損にはなりません。所定の日数を一定以上残して再就職すると、 再就職手当が受け取れます。 「もらいきってから就職したほうが得」と考えて期間を空けるより、 早く決めたほうが結果的に手元に残ることが多くなります。

また、失業保険を受け取っている間に開業届を出すと受給できなくなることがあります。 副業や独立を考えているなら、順番に注意してください (開業届と青色申告)。

関連するツールと記事

本記事の金額は概算です。基本手当の日額・給付率・上限額・所定給付日数は毎年改定されることがあり、離職理由の判定はハローワークが個別に行います。給付制限の期間や再就職手当の要件にも細かいルールがあります。実際の金額や手続きは、お住まいの地域のハローワークにご確認ください。

このツールが使っている給付の計算方法と上限額は 2026年9月時点のものです。 使用している数値と出典を見る

このページの数値と出典

このページで使っている値と、その根拠です。制度の数値も各社の料金も改定されるため、 判断の前には出典元でお確かめください。

社会保障の給付(失業・傷病・出産・育児・医療)2026年9月時点

  • 育児休業給付金開始から180日は67%、以降50%
  • 基本手当日額の上限7,450/8,270/9,110/7,830円30歳未満/30〜44歳/45〜59歳/60〜64歳。令和8年8月1日改定
  • 基本手当日額の下限2,562円最低賃金日額から算定
  • 育児休業給付の賃金日額の上限16,540円月額に直すと約50万円。2026年8月〜2027年7月
  • 育休中の社会保険料免除給付金は非課税
  • 傷病手当金標準報酬日額の2/3通算1年6か月
  • 出産手当金標準報酬日額の2/3
  • 出産育児一時金50万円
  • 医療費控除の足切り10万円総所得金額等が200万円未満なら5%
  • 医療費控除の上限200万円
  • セルフメディケーション税制1.2万円超・上限8.8万円
  • 医療費の自己負担割合原則3割
  • 高額療養費の上限(年収約370〜770万円)85,800円+(医療費−286,000円)×1%令和8年8月診療分から。年間の上限は53万円
  • 自己都合退職の給付制限原則1か月2025年4月以降の離職。5年に3回以上は3か月

雇用保険の給付額には毎年8月に改定される上限額があります。高額療養費の自己負担限度額は令和8年8月診療分から引き上げられ、年間の上限が新設されました。令和9年8月には所得区分の細分化が予定されています。

出典: ハローワーク「基本手当について」/全国健康保険協会「傷病手当金」/全国健康保険協会「高額療養費」/厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」/国税庁「医療費を支払ったとき」

サイト全体で使っている数値の一覧は 計算の根拠と出典にまとめています。 一次情報と突き合わせた記録も同じページに公開しています。