あと10万円増えたら、手取りはいくら増えるか
賞与80万円は、手取り率76.6%の帯のなかで、社会保険料の上限にはまだ遠い位置にあります。月給35万円・40歳未満で手取り612,619円です。
厚生年金の標準賞与額には1回150万円という上限があり、これを超えた分には厚生年金保険料(9.15%)がかかりません。80万円だと上限まで70万円あり、額面のほぼ全額に保険料がかかります。社会保険料は117,720円(健康保険39,600円・厚生年金73,200円・雇用保険4,000円・子ども・子育て支援金920円)です。
年2回の支給なら年間160万円。健康保険には年度の累計で573万円という上限がありますが、こちらも413万円ぶん余裕があります。つまり80万円は、上限のたぐいが一切効かず、額面に率がそのまま掛かる金額帯です。増額分の約76.6%が手元に残るので、昇給や賞与増の効果がいちばん読みやすい水準とも言えます。
内訳を見ると、所得税69,661円に対して社会保険料117,720円と、社会保険料のほうが5万円ほど大きくなっています。賞与から引かれるものというと税金を思い浮かべがちですが、この金額帯までは社会保険料のほうが重い、というのが実際のところです。手取りを増やしたいときに効くのは、控除を増やすより支給の形を変えるほうだという話にもつながります。
多く引かれても損しているわけではない
賞与から引かれる所得税はあくまで仮の金額です。本来の税額は1年間の所得が確定してから決まるため、賞与で多めに源泉徴収されていた場合は年末調整で戻ってきます。逆に不足していれば追加で引かれます。賞与の明細で税額が大きく見えても、その時点で確定した損失ではありません。
月給によって手取りが最も割れる金額帯
賞与80万円は、年収の見込みによって所得税の限界税率が10%と20%のどちらになるかが分かれやすい金額です。同じ80万円でも、月給25万円の人と月給50万円の人では手取りに大きな差が出ます。転職して月給が上がった年は、賞与の手取り率が下がったように感じられることがありますが、これは税率が上の帯に移ったためです。