源泉徴収票の見方

最終更新: 2026年10月17日

年末調整が終わると、12月の給与明細と一緒か、1月中に源泉徴収票が配られます。 欄がたくさんあって読む気がしない書類ですが、見る場所は上段の4つの数字だけで足ります。 左から順に、支払金額 → 給与所得控除後の金額 → 所得控除の額の合計額 → 源泉徴収税額。 この4つは1本の計算でつながっていて、たどると年末調整の中身をそのまま再現できます。

4つの数字は、1本の計算でつながっている

年収500万円、生命保険料控除が4万円ある人の例で、順にたどります。

  1. 支払金額¥5,000,000

    1年間の給与と賞与の合計(額面)。非課税の通勤手当は入りません。

  2. 給与所得控除後の金額¥3,560,000

    支払金額から給与所得控除(会社員の経費にあたる額)を引いたもの。 この例では¥1,440,000が引かれています。 給与所得控除は年収で自動的に決まり、本人が何かを申告して増やすことはできません。

  3. 所得控除の額の合計額¥1,815,750

    年末調整で申告した控除の合計です。この例の内訳は次のとおり。

    • 社会保険料等の金額 ¥735,750(給与から天引きされた健康保険・厚生年金・雇用保険)
    • 基礎控除の額 ¥1,040,000
    • 生命保険料の控除額 ¥40,000

    配偶者控除・扶養控除・iDeCoの掛金なども、申告していればここに入ります。 年末調整の書類に書いたものが反映されているかは、この数字で確かめます。

  4. 源泉徴収税額¥89,000

    ②から③を引いた¥1,744,250の1,000円未満を切り捨てた ¥1,744,000が課税所得です。 これに税率5%をかけた所得税が¥87,169、 復興特別所得税(2.1%)を足して100円未満を切り捨てたものが、1年分の所得税になります。

社会保険料は全国平均の料率による概算です。年収660万円未満の給与所得控除は、年末調整では細かい表で決まるため、 実際の源泉徴収票とは数千円ずれることがあります。

確かめられること①:年末調整がちゃんと済んでいるか

③の所得控除の合計が、自分で申告したものの合計と合っているかを見ます。 生命保険料控除やiDeCoを書いたのに③に入っていなければ、書類の提出漏れか会社側の入力漏れです。 気づいたのが翌年でも、5年以内なら確定申告(還付申告)で取り戻せます。

年の途中で退職して年末調整を受けていない場合は、④は1年分の税額ではなく、天引きされた額の合計のままです。 この場合も確定申告で精算すると、多くの人は払いすぎた分が戻ります。 手順は確定申告のやり方にまとめています。

確かめられること②:自分の所得税率

課税所得(②−③)がわかると、自分の所得税率がわかります。 この例は課税所得174.4万円で、税率5%の帯です。

課税所得と所得税率
課税所得所得税率住民税と合わせた目安
195万円以下5%約15%
195万円超〜330万円以下10%約20%
330万円超〜695万円以下20%約30%
695万円超〜900万円以下23%約33%
900万円超〜1,800万円以下33%約43%

「住民税と合わせた目安」が、所得控除を1万円増やしたときに戻る割合です。 税率5%の帯の人がiDeCoに年24万円入れても、戻るのは約3.6万円。 20%の帯なら約7.2万円になります。 控除を増やす手を考えるときは、この率で効果を見積もってください (iDeCoの節税額シミュレーター)。

令和8年分は、基礎控除の欄が去年と変わる

令和8年分の税制改正で、所得税の基礎控除が上がりました。 年収500万円なら、去年(令和7年分)の源泉徴収票では基礎控除は¥680,000でしたが、 今年は¥1,040,000になります。 去年の源泉徴収票と並べて③が増えていても、何かの間違いではありません。

改正は12月に施行されたため、11月までの天引きは改正前のままで、差は12月の年末調整でまとめて戻っています。 年収別の差額は今年の年末調整は戻りが増える?にまとめました。

源泉徴収票を使う場面

  • 確定申告:医療費控除やふるさと納税(6自治体以上)で申告するとき、①〜④を申告書に写します。
  • ふるさと納税の上限の見積もり:①の支払金額と③の内訳をふるさと納税シミュレーターに入れると、来年の目安になります。
  • 住宅ローンや賃貸の審査:年収の証明として提出を求められます。見られるのは①の支払金額です。
  • 転職先への提出:年の途中で転職したら、前の会社の源泉徴収票を新しい会社に出して年末調整を受けます。

再発行は勤務先に依頼できます。退職した会社でも、発行してもらう権利があります。

本記事の計算例は、給与だけの単身者(40歳未満)について全国平均の社会保険料率で概算したものです。源泉徴収票の様式・欄の配置は年分によって変わることがあります。正確な内容は勤務先、または国税庁の案内でご確認ください。

このツールが使っている税率・料率は 2026年10月時点のものです。 使用している数値と出典を見る

このページの数値と出典

このページで使っている値と、その根拠です。制度の数値も各社の料金も改定されるため、 判断の前には出典元でお確かめください。

給与の手取り(所得税・住民税・社会保険料)2026年10月時点

  • 健康保険(本人負担)4.95%協会けんぽ令和8年度の全国平均9.9%の半分
  • 子ども・子育て支援金(本人負担)0.115%令和8年度の0.23%の半分。令和8年4月分から
  • 介護保険(40〜64歳・本人負担)0.81%令和8年度の1.62%の半分
  • 厚生年金(本人負担)9.15%18.3%の半分
  • 雇用保険(本人負担)0.5%一般の事業・令和8年度
  • 所得税の基礎控除62〜104万円令和8・9年分。合計所得489万円以下は104万円、655万円以下は67万円、それ以上は62万円
  • 住民税の基礎控除43万円
  • 住民税(所得割)10%
  • 住民税(均等割)5,000円市町村3,000円+道府県1,000円+森林環境税1,000円。自治体により差があります
  • 復興特別所得税所得税額の2.1%
  • 給与所得控除令和8・9年分の速算表最低保障額74万円(収入220万円以下)
  • 所得税の税率5%〜45%の7段階(累進)

社会保険料は全国平均の料率を年収に対して概算で掛けています。実際は標準報酬月額の等級表で決まり、加入している健康保険組合や都道府県によって変わります。扶養・生命保険料控除などの所得控除は含めていません。

出典: 国税庁「所得税の税率」/国税庁「給与所得控除」/国税庁「基礎控除」/国税庁「源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月)」/国税庁「令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について」/全国健康保険協会「保険料額表」/厚生労働省「雇用保険料率について」/総務省「個人住民税」/こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度について」/日本年金機構「厚生年金保険の保険料」

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