まず「かかるかどうか」を知る
相続税は、亡くなった人の遺産が基礎控除を超えたときだけかかります。 多くの人は基礎控除の範囲内で、実際に相続税がかかるのは全体の1割弱と言われています。 まずは自分のケースで超えそうかを確認するのが第一歩です。
基礎控除の計算
基礎控除 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
- 相続人が配偶者と子2人 → 3,000万+600万×3 = 4,800万円
- 相続人が子1人だけ → 3,000万+600万×1 = 3,600万円
相続人が多いほど基礎控除が増えます。遺産がこの金額以下なら、相続税の申告も納税も 基本的に不要です。
相続税は独特の計算をする
相続税は「遺産 × 税率」という単純な計算ではありません。次の手順で総額を出します。
- ① 遺産から基礎控除を引く(課税遺産総額)
- ② これを法定相続分で分けたと仮定して、各人の税額を計算
- ③ それを合算して相続税の総額を出す
- ④ 実際に取得した割合で按分して、各人の負担額を決める
つまり、実際にどう分けるか(遺産分割)とは別に、まず総額が決まる仕組みです。 このツールは②③の総額までを概算しています。
配偶者は大きく優遇される
配偶者には税額軽減があり、取得する財産が「法定相続分」か 「1億6,000万円」の多いほうまで相続税がかかりません。 このため、配偶者が相続する分については実質ゼロになることがほとんどです。
ただし、配偶者にすべて相続させると、次にその配偶者が亡くなったとき(二次相続)に 子の負担が大きくなることがあります。一次相続と二次相続を通した設計が重要です。
税額を下げる主な特例
このツールには含めていませんが、実際には次のような特例で税額が下がります。
- 小規模宅地等の特例:自宅の土地の評価額が最大80%減額されます。効果が非常に大きい特例です
- 生命保険金の非課税枠:500万円×法定相続人の数まで非課税です
- 死亡退職金の非課税枠:同じく500万円×法定相続人の数
これらを使うと、シミュレーターの結果より実際の税額はかなり下がることがあります。 逆に言えば、正確な試算には専門知識が必要で、相続が発生したら税理士に相談するのが 確実です。
生前にできる備え
相続税が心配な場合、生前の贈与で少しずつ財産を移す方法があります。 暦年課税なら年110万円まで非課税で贈与でき、長い年月をかければまとまった額を移せます。 ただし相続開始前の一定期間の贈与は相続財産に加算されるルールがあるため、早めの計画が大切です。
資産全体の見通しは老後資金シミュレーターもあわせてご覧ください。
よくある質問
親が亡くなりそうです。今できることは?
まずは財産のおおよその全体像(不動産・預貯金・保険)を把握しておくことです。 申告期限は10か月と短いため、財産の一覧があるだけで後の手続きが大きく楽になります。
不動産の評価額はどう出しますか?
土地は路線価、建物は固定資産税評価額をもとに計算します。 建物の評価は固定資産税シミュレーターの評価額が参考になります。 土地の路線価は国税庁の路線価図で確認できます。
借金があった場合は?
借入金や葬式費用は遺産から差し引けます。このツールには、それらを引いた後の 「課税価格」を入力してください。債務が多い場合は相続放棄という選択肢もあります。