NISAなのに、配当に税金がかかるのはどんなときか

最終更新: 2026年10月4日

NISAの配当は非課税です。ただしこれには条件があり、 満たしていないと、NISA口座で買った株でも配当から税金が引かれます。 条件は株の種類によって違い、日本株は受け取り方の設定、米国株は現地で引かれる税です。

反対に、つみたて投資枠で買う投資信託には、この話は当てはまりません。 「積立NISAでも受け取り方を間違えると課税される」と心配する必要はない、ということです。 まず配当10万円がどう残るかを並べます。

配当(分配金)10万円を受け取ったとき、手元に残る額
何を・どう受け取るか 残る額 引かれる税
投資信託の分配金(NISA) ¥100,000 なし(設定と関係ない)
日本株の配当(NISA・証券口座で受け取る) ¥100,000 なし
日本株の配当(NISA・銀行振込など) ¥79,685 日本の20.315%
米国株の配当(NISA) ¥90,000 米国の10%(戻らない)
参考:日本株の配当(課税口座) ¥79,685 日本の20.315%

日本株にはETF・REITを、米国株には米国の上場ETFを含みます。税率は所得税15%・復興特別所得税0.315%・住民税5%の合計です。

銀行振込で受け取っている日本株の配当は、NISAで持っていても課税口座と同じ額しか残りません。 NISAに入れた意味が、配当についてはなくなっているわけです。

日本株:受け取り方が「株式数比例配分方式」でないと課税される

日本の上場株の配当には、受け取り方が4つあります。

  • 株式数比例配分方式 — 株を預けている証券会社の口座に入る
  • 登録配当金受領口座方式 — 全銘柄の配当を、指定した1つの銀行口座で受け取る
  • 個別銘柄指定方式 — 銘柄ごとに振込先の銀行口座を決める
  • 配当金領収証方式 — 郵送されてくる領収証を、銀行や郵便局で現金に換える

NISAで非課税になるのは、最初の株式数比例配分方式だけです。 国税庁の説明でも、非課税になるのは証券会社を経由して株式数比例配分方式で受け取った配当に限られ、 発行会社から直接受け取るものは課税扱いとされています。 ほかの3つは配当が証券会社を通らないので、NISAの非課税の手続きがされません。

見落としやすいのは、前から株を持っていた人

受け取り方は、証券会社ごとに決めるものではありません。 株式数比例配分方式を選ぶと、ほかの証券会社で持っている株の配当も、自動的に同じ方式になります。

逆に言えば、以前に銀行振込(登録配当金受領口座方式)を選んでいた人は、 新しくNISA口座を開いただけでは切り替わっていないことがあります。 NISA口座を開いた証券会社で受け取り方を確認し、株式数比例配分方式になっていなければ変更します。

変更は、配当の基準日(権利確定日)までに手続きが終わっている必要があります。 基準日の直前に申し込むと、その回の配当には間に合わないことがあるので、株を買う前に済ませておくのが確実です。

課税されてしまった配当はどうなるか

銀行振込などで受け取った配当は、受け取った時点で20.315%が源泉徴収され、それで課税は終わっています。 確定申告は必要ありません。 申告して配当控除や損益通算を使える場合はありますが、NISAの非課税として取り戻すことはできません。 次の配当から非課税にするには、受け取り方を変えるしかありません。

米国株:NISAでも現地の10%は引かれ、戻らない

米国株や米国ETFの配当は、日米租税条約にもとづいて、まず米国で10%が源泉徴収されます。 NISAで非課税になるのは日本の税金だけなので、米国の10%はNISAでも引かれます。

課税口座で受け取った場合は、確定申告で「外国税額控除」を使うと、この10%を取り戻せることがあります。 ただし外国税額控除は、日本で払う所得税などから外国の税を差し引く仕組みです。 NISAの配当には日本の税がかからないので、差し引く相手がありません。 そのためNISAで受け取った米国株の配当は、10%が引かれたままになります。

これは「NISAに米国株を入れると損」という意味ではありません。 それでも課税口座よりは多く残ります。 ただ、NISAに置いたときの得は日本株より小さくなります。 限られたNISA枠にどちらを入れるかの比較は、 米国の高配当株は、NISAと課税口座のどちらに置くかで計算しています。

つみたて投資枠の投資信託は、設定と関係ない

つみたて投資枠で買えるのは投資信託だけです。 投資信託の分配金は、もともと証券会社を通じて支払われます。 発行会社から直接届く経路がないので、受け取り方の設定に関係なく、NISA口座内なら非課税です。

受け取り方の設定が問題になるのは、成長投資枠で日本の上場株・ETF・REITを買った人です。 つみたて投資枠しか使っていない人は、ここまでの話の前半は気にしなくて大丈夫です。

なお、米国株に投資する投資信託では、ファンドが受け取る配当に、ファンドの中で米国の税がかかります。 これは口座の種類と関係なく、基準価額に織り込まれているので、自分で何かする必要はありません。

自分の口座を確かめるには

  • 証券会社のサイトで「配当金の受取方法」を見る。 口座情報やお客様情報のページに表示されていることが多いです。
  • 配当を受け取ったときの明細を見る。 NISA口座の日本株の配当で、源泉徴収税額が0円になっていれば非課税で受け取れています。
  • 家に配当金領収証が届いていないか。 届いているなら、その銘柄は配当金領収証方式で受け取っています。

関連する計算

本記事の金額は概算です。税率は上場株式等の配当(大口株主を除く)の源泉徴収税率で計算しています。米国の源泉税率は日米租税条約の限度税率10%で、ほかの国の株式は国ごとに税率が違います。受け取り方の手続きの方法や反映までの期間は証券会社によって異なるため、お取引先でご確認ください。出典:国税庁 タックスアンサー No.1535「NISA制度」、No.1240「居住者に係る外国税額控除」、日本証券業協会「NISA口座における上場株式の配当金等受取方式に関する注意事項」、証券保管振替機構「配当金の受取方法」。

このツールが使っている税率は 2026年8月時点のものです。 使用している数値と出典を見る

このページの数値と出典

このページで使っている値と、その根拠です。制度の数値も各社の料金も改定されるため、 判断の前には出典元でお確かめください。

投資・資産運用にかかる税金2026年8月時点

  • 上場株式等の譲渡益・配当の税率20.315%所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%
  • NISA口座非課税
  • 暗号資産の利益雑所得・総合課税給与所得と合算して累進課税。株式とは扱いが異なります
  • 損失の繰越控除最長3年
  • 金地金の売却益譲渡所得・総合課税特別控除50万円。保有5年超は2分の1課税。売却代金200万円超で業者が支払調書を提出
  • NISAで配当が非課税になる受け取り方株式数比例配分方式のみ発行会社から直接受け取る方式(銀行振込・配当金領収証など)は課税
  • 米国株の配当に米国でかかる税10%日米租税条約の限度税率(持株割合10%未満)。NISAでは外国税額控除が使えず戻らない

特定口座(源泉徴収あり)を前提としています。他の所得との損益通算や、確定申告での取り扱いの選択によって結果は変わります。

出典: 国税庁「株式等を譲渡したときの課税」/国税庁「暗号資産に関する税務上の取扱い」/国税庁「金地金を売ったときの課税」(No.3161)/国税庁「金地金等の譲渡に係る支払調書」(大阪国税局)/金融庁「NISA特設ウェブサイト」/国税庁「NISA制度」/国税庁「居住者に係る外国税額控除」/財務省「日米租税条約のポイント」

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