冬のボーナスの手取りはいくらか

最終更新: 2026年10月17日

冬の賞与は、年末調整の還付と同じ時期に振り込まれるため、 手取りの感覚が狂いやすい時期です。 「思ったより多い/少ない」の理由を、順番に見ていきます。

月給別の手取り(2か月分の場合)

前提:賞与=月給の2か月分、40歳未満(介護保険料なし)、 同じ年度にすでに同額の夏の賞与があった場合の概算です。

月給 賞与(額面) 社会保険料 所得税 手取り 手取り率
25万円 ¥500,000 ¥73,575 ¥21,769 ¥404,656 80.9%
30万円 ¥600,000 ¥88,290 ¥26,123 ¥485,587 80.9%
35万円 ¥700,000 ¥103,005 ¥60,953 ¥536,042 76.6%
40万円 ¥800,000 ¥117,720 ¥69,661 ¥612,619 76.6%
50万円 ¥1,000,000 ¥147,150 ¥174,152 ¥678,698 67.9%
60万円 ¥1,200,000 ¥176,580 ¥208,982 ¥814,438 67.9%

手取り率は8割前後で、月給が上がるほど下がります。 社会保険料の率はどの年収でもほぼ同じ(約15%)なので、 差を作っているのは所得税率です。 月給が高い人ほど上の税率帯にいるため、同じ2か月分でも手取り率は落ちます。

冬だけの事情①:社会保険料の上限に当たることがある

賞与にかかる社会保険料には上限があります。

  • 厚生年金:1回あたり150万円まで
  • 健康保険:年度の累計で573万円まで

注目すべきは健康保険のほうです。年度で累計するため、 夏にすでに賞与を受け取っていると、冬はその残り枠にしか保険料がかかりません。

例:月給120万円・賞与300万円の方が、 夏の賞与があった場合となかった場合の比較。

夏の賞与なし 夏に同額あり
社会保険料 ¥304,200 ¥290,525
手取り ¥1,787,504 ¥1,796,572

同じ額面なのに、冬のほうが手取りが ¥9,068多くなりました。 賞与が大きい方にしか起きませんが、 「冬のほうが手取りがいい」と感じる場合はこれが理由のことがあります。

冬だけの事情②:年末調整の還付と混ざる

12月は、賞与と年末調整の還付が近い時期に入ってきます。 この2つはまったく別のお金ですが、明細を見ないと区別がつきません。

  • 賞与から引かれた所得税は「仮の額」です。 前月の給与をもとに率を決めているだけで、正確な税額ではありません。
  • 年末調整で1年分を計算し直します。 生命保険料控除やiDeCoの掛金を申告していれば、多く引かれていた分が戻ります。
  • 還付は12月または1月の給与に上乗せされるのが一般的です。 賞与と一緒に振り込まれることもあります。

「今年は賞与の手取りが多かった」と思ったら、 還付が混ざっていただけということがよくあります。 来年の計画を立てるときは、明細で分けて見てください。

2026年の冬はこの差が例年より大きくなりやすい年です。 令和8年分の税制改正で所得税の基礎控除が上がりましたが、 賞与から引かれる所得税を決める「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」は、今年12月の支給分まで改正前のままです(新しい表は令和9年1月から)。 つまり冬の賞与からは去年と同じ基準で所得税が引かれ、控除が増えた分は12月の年末調整でまとめて戻ります。 このページの手取りの表も、賞与から実際に引かれる額に合わせて改正前の基準で計算しています。 改正で何が変わったかは年末調整の書き方にまとめました。

冬だけの事情③:支給日が年をまたぐと課税年が変わる

賞与の所得は支給された日で年が決まります。 12月支給なら今年、1月支給なら来年の所得です。

これが効いてくるのは、次のような場合です。

  • ふるさと納税の上限が変わる。 今年の年収が想定より増えれば上限も上がりますが、 年末に確定してからでは間に合わないことがあります (駆け込みで失敗する理由)。
  • 扶養の判定に影響する。 年収の壁の手前で働いている方は、支給月がずれるだけで判定が変わることがあります。
  • 翌年の住民税が変わる。住民税は前年の所得にかかるためです。

手取りを増やす方法はあるか

賞与そのものの手取りを増やす方法は、実質ありません。引かれる額は決まっています。 効くのは年末調整で申告できるものを漏らさないことです。

  • 生命保険料控除・地震保険料控除(証明書が10月ごろ届きます)
  • iDeCoの掛金(小規模企業共済等掛金控除)
  • 配偶者控除・扶養控除の変更(今年結婚した、子どもが生まれた など)
  • 住宅ローン控除の2年目以降

申告し忘れたものがあっても、確定申告でやり直せます。 5年前までさかのぼれるので、去年の分を出し忘れていても間に合います。

自分の金額で確かめる

本記事の金額は全国平均の料率による概算です。社会保険料率は加入している健康保険組合や都道府県で変わり、賞与から引かれる所得税は前月の給与額に応じた率で決まります。扶養親族の人数や各種控除は考慮していません。実際の金額は給与明細と源泉徴収票でご確認ください。

このツールが使っている税率・料率は 2026年10月時点のものです。 使用している数値と出典を見る

このページの数値と出典

このページで使っている値と、その根拠です。制度の数値も各社の料金も改定されるため、 判断の前には出典元でお確かめください。

給与の手取り(所得税・住民税・社会保険料)2026年10月時点

  • 健康保険(本人負担)4.95%協会けんぽ令和8年度の全国平均9.9%の半分
  • 子ども・子育て支援金(本人負担)0.115%令和8年度の0.23%の半分。令和8年4月分から
  • 介護保険(40〜64歳・本人負担)0.81%令和8年度の1.62%の半分
  • 厚生年金(本人負担)9.15%18.3%の半分
  • 雇用保険(本人負担)0.5%一般の事業・令和8年度
  • 所得税の基礎控除62〜104万円令和8・9年分。合計所得489万円以下は104万円、655万円以下は67万円、それ以上は62万円
  • 住民税の基礎控除43万円
  • 住民税(所得割)10%
  • 住民税(均等割)5,000円市町村3,000円+道府県1,000円+森林環境税1,000円。自治体により差があります
  • 復興特別所得税所得税額の2.1%
  • 給与所得控除令和8・9年分の速算表最低保障額74万円(収入220万円以下)
  • 所得税の税率5%〜45%の7段階(累進)

社会保険料は全国平均の料率を年収に対して概算で掛けています。実際は標準報酬月額の等級表で決まり、加入している健康保険組合や都道府県によって変わります。扶養・生命保険料控除などの所得控除は含めていません。

出典: 国税庁「所得税の税率」/国税庁「給与所得控除」/国税庁「基礎控除」/国税庁「源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月)」/国税庁「令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について」/全国健康保険協会「保険料額表」/厚生労働省「雇用保険料率について」/総務省「個人住民税」/こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度について」/日本年金機構「厚生年金保険の保険料」

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