クラウドソーシングの手取り

最終更新: 2026年8月12日

「3万円の案件」と書いてあっても、口座に入るのは3万円ではありません。 引かれるものが3つあります。ただし3つは性質が違います。 ここを分けないと、判断を誤ります。

戻らない

  • システム手数料(20%前後)
  • 振込手数料(出金1回ごとに定額)

戻ることがある

  • 源泉徴収(10.21%)
    所得税の前払い。確定申告で精算されます

「合計3割引かれる」という言い方をよく見ますが、 そのうち1割は税金の前払いです。 確定申告をすれば、経費や控除によっては戻ってきます。 実際に消えるのは手数料のほうです。

報酬別に計算した

前提:システム手数料20%、源泉徴収あり、 振込手数料¥500を案件ごとに出金した場合。

報酬 手数料 源泉 振込 振り込まれる額
¥5,000 ¥1,000 ¥511 ¥500 ¥2,989 59.8%
¥20,000 ¥4,000 ¥2,042 ¥500 ¥13,458 67.3%
¥50,000 ¥10,000 ¥5,105 ¥500 ¥34,395 68.8%
¥100,000 ¥20,000 ¥10,210 ¥500 ¥69,290 69.3%
¥300,000 ¥60,000 ¥30,630 ¥500 ¥208,870 69.6%

報酬¥5,000だと、手元に残るのは59.8%。 ¥300,000なら69.6%です。 同じ手数料率なのに差がつくのは、振込手数料が定額だからです。 小さい案件ほど、この定額が重くのしかかります。

出金をまとめるだけで変わる

報酬¥5,000の案件を、何件ぶんまとめて出金するかで比べます。

出金の仕方 1件あたりの振込手数料 振り込まれる額
毎回出金 ¥500 ¥2,989 59.8%
5件ぶんまとめる ¥100 ¥3,389 67.8%
20件ぶんまとめる ¥25 ¥3,464 69.3%

59.8%が69.3%になります。 作業内容は何も変えていません。出金のタイミングを変えただけです。 小さい案件を数多くこなす働き方なら、ここは効きます。

ただし出金には最低額や有効期限があることがあります。 溜めすぎて失効しては本末転倒なので、 サイトの規約を確認したうえでまとめてください。

手数料は経費になります

申告のときに見落とされやすい点です。 システム手数料と振込手数料は、必要経費として計上できます

報酬¥50,000の案件なら、 売上¥50,000・経費¥10,500という形になります。 売上だけを申告して経費を入れ忘れると、 実際より多い所得で税金を計算することになります。

サイトの取引履歴に手数料の内訳が残っているので、 年末にまとめてダウンロードしておくと申告が楽になります。 経費にできるものの範囲は 副業の経費と家事按分にまとめました。

源泉徴収されているかは、支払調書ではなく履歴で確認

源泉徴収されるかどうかは発注者と業務の内容で決まります。 同じサイトを使っていても、案件によって引かれたり引かれなかったりします。

  • 支払調書は必ずしも届きません。 発注者に交付の義務がない場合もあります。届かなくても申告は必要です。
  • サイトの取引履歴を見るのが確実です。 源泉徴収額が記録されています。
  • 申告のときは、引かれた額を必ず書きます。 書かないと精算されず、払いすぎたままになります

案件を選ぶときの見方

  1. 報酬ではなく、振り込まれる額で比べる。 ¥5,000の案件と¥20,000の案件では、 手取り率が59.8%と67.3%で 1割以上違います
  2. かかる時間で割る。 手取りが同じでも、3時間か8時間かで話が変わります。 時給の出し方は副業は時給いくらになるのかに。
  3. 修正の回数を見込む。 「修正2回まで」と書かれていない案件は、時間が読めません。 報酬が同じでも、実質の時給は大きく下がります。
  4. 継続案件を優先する。 毎回の提案と条件のすり合わせにかかる時間は、報酬に含まれていません。 同じ相手と続けるほど、時間あたりの実入りは上がります。

関連するツールと記事

本記事の金額は、記載した前提にもとづく概算です。システム手数料の率はサイトや報酬額によって異なり、段階的に変わる場合もあります。源泉徴収の対象になるかは発注者と業務の内容によります。振込手数料や出金の条件も各サイトの規約によります。実際の金額はご利用のサイトの取引履歴でご確認ください。

このツールが使っている税率・料率は 2026年8月時点のものです。 使用している数値と出典を見る

このページの数値と出典

このページで使っている値と、その根拠です。制度の数値も各社の料金も改定されるため、 判断の前には出典元でお確かめください。

給与の手取り(所得税・住民税・社会保険料)2026年8月時点

  • 健康保険(本人負担)5.0%協会けんぽ全国平均10%の半分
  • 介護保険(40〜64歳・本人負担)0.8%
  • 厚生年金(本人負担)9.15%18.3%の半分
  • 雇用保険(本人負担)0.6%一般の事業
  • 所得税の基礎控除58〜95万円令和7年分から合計所得金額に応じた段階制。132万円以下は95万円
  • 住民税の基礎控除43万円
  • 住民税(所得割)10%
  • 住民税(均等割)5,000円自治体により差があります
  • 復興特別所得税所得税額の2.1%
  • 給与所得控除令和7年分以降の速算表最低保障額65万円(収入190万円以下)
  • 所得税の税率5%〜45%の7段階(累進)

社会保険料は全国平均の料率を年収に対して概算で掛けています。実際は標準報酬月額の等級表で決まり、加入している健康保険組合や都道府県によって変わります。扶養・生命保険料控除などの所得控除は含めていません。

出典: 国税庁「所得税の税率」国税庁「給与所得控除」国税庁「基礎控除」全国健康保険協会「保険料額表」日本年金機構「厚生年金保険の保険料」

サイト全体で使っている数値の一覧は 計算の根拠と出典にまとめています。 一次情報と突き合わせた記録も同じページに公開しています。