AIと話して英会話を上達する方法

最終更新: 2026年8月11日

英会話が上達しないのは、才能の問題ではありません。 理由はたいてい話した量が足りないことと、 伸びているかどうかが自分で見えないことの2つです。

この記事は、ペラペラを目指しません。上達の目標をこの2つに絞ります。

8割

相手の言っていることが、なんとなくわかる

カタコト

文法が壊れていても、伝わる返しができる

これで十分です。実際の会話では、状況が意味の大半を補ってくれます。 レストランで店員が何か聞いてきたら、聞き取れたのが「drink」だけでも用は足ります。 逆に、全部聞き取ろうとして固まるほうが会話は止まります。

そして目標を下げることは、上達をあきらめることではありません。 完璧を目指すと練習量が落ちるので、結果として遅くなります。 量が稼げる形に落としてから、あとで負荷を上げていくほうが速い—— この記事はその順番で組み立てています。

上達に効くのは、結局「話した量」

文法書を読んでも、単語を覚えても、話せるようにはなりません。 読む力と話す力は別のもので、話す力は話した量でしか伸びないからです。 だから練習方法を選ぶときの基準は、面白そうかどうかではなく その方法で月に何分話せるかになります。

週1回25分のレッスンは、月に100分。 1日3分を毎日やると、月に90分。ほぼ同じです。 そして1日3分のほうは、こちらの都合で増やせます。 調子のいい日に10分話せば、それだけで月200分を超えます。

なぜAIが向いているのか

AIと話す オンライン英会話
始めるまで アプリを開くだけ 予約、時間を合わせる
1回の長さ 3分でもいい 25分が基本
詰まったとき 何秒黙っても気まずくない 相手を待たせている感覚がある
同じ話の繰り返し 何度でもできる 気が引ける
話す速さ 指定できる お願いすれば調整してもらえる
緊張感 ない(練習にはならない面も) ある。本番に近い

AIが優れているというより、ハードルが低いのが利点です。 人と話す緊張感は本番に近い練習になるので、 AIで毎日、人と月に数回という組み合わせが現実的だと思います。 まずはAIだけで始めて、話すことに慣れてから人に移っても遅くありません。

最初にAIへ渡す設定文

これがいちばん大事です。何も設定せずに話しかけると、 返事が長すぎて聞き取れない話の途中で文法を直される質問が返ってこなくて会話が終わる——という状態になり、まず続きません。

会話を始める前に、次の文をそのまま渡してください。

AIに渡す設定文(英語)

I'm a Japanese beginner practicing English conversation.
Please follow these rules:
- Speak slowly and use simple words.
- Keep your reply to 2-3 short sentences.
- Always end with a question so the conversation keeps going.
- Do NOT correct my English while we are talking.
- When I say "correct me", list up to 3 mistakes with short fixes.
- If I say "I don't know how to say it", give me one example sentence I could use.

同じ内容(日本語で渡してもかまいません)

私は英会話を練習している日本人の初心者です。
次のルールで話してください。
・ゆっくり、やさしい単語で話す
・返事は2〜3文の短さにする
・会話が続くように、毎回こちらへ質問を返す
・話している最中は、私の英語を直さない
・私が「correct me」と言ったら、間違いを3つまで、短い直し方つきで教える
・私が「I don't know how to say it」と言ったら、使える例文を1つ出す

この設定文が効いているのは、次の4点です。

  • 返事を2〜3文に制限 — 長い返事は聞き取り練習にならず、圧になるだけ
  • 毎回こちらに質問を返させる — 「何を話そう」で止まらなくなる
  • 会話中は直させない — 直されながら話すのは、想像以上に心が折れます
  • 詰まったら例文を1つ出させる — 沈黙で終わらずに済む

音声で話す場合は、スマホのAIアプリの音声モードを使うか、 キーボードの音声入力で話しかけます。 発音が拾われないときは、それ自体が「伝わりにくい発音」という情報です。 ゆっくり区切って言い直してみてください。

最初に覚えるのは「詰まったときの言い回し」

挨拶や自己紹介より先に、これを覚えてください。 言葉が出てこないときに黙ってしまうと、そこで終わります。「考え中です」と伝えられれば、会話は途切れません。

詰まったときに使う(最優先で覚える)

言葉が出てこないときに黙ってしまうと、そこで終わります。「考え中です」と伝えられれば、会話は途切れません。

  • Let me think for a second. ちょっと考えさせて
  • How do you say ◯◯ in English? ◯◯って英語でなんて言うの?
  • I don't know the word, but it's like ... 単語がわからないけど、こんな感じのもの
  • It's hard to explain, but ... 説明しにくいんだけど…
  • Sorry, I need a moment. ごめん、ちょっと待って
  • I don't know how to say it. 言い方がわからない

聞き返す

8割わかれば十分ですが、残りの2割を聞き返せると理解は一気に上がります。聞き返すのは失礼ではありません。

  • Sorry, could you say that again? もう一度言ってもらえますか?
  • Could you speak a little slower? もう少しゆっくり話してもらえますか?
  • What does ◯◯ mean? ◯◯ってどういう意味?
  • Do you mean ...? …ってこと?
  • Sorry, I didn't catch the last part. 最後のところが聞き取れなかった
  • Can you say that in easier words? もっと簡単な言い方にしてもらえる?

返しの型(中身がなくても返せる)

気の利いたことを言おうとすると止まります。まず「聞いています」と返せれば、会話は前に進みます。

  • That makes sense. なるほど
  • I see what you mean. 言いたいことわかる
  • Same for me. 私も同じ
  • Really? Why? そうなんだ、なんで?
  • That's interesting. Tell me more. 面白いね、もっと聞かせて
  • I've never thought about that. 考えたことなかった

始める

毎回「何を話そう」で止まるのが、いちばんの脱落理由です。切り出し方を決めておきます。

  • Can we talk about ◯◯ today? 今日は◯◯について話したい
  • I had a long day. Can I tell you about it? 今日は大変だった。聞いてくれる?
  • I want to practice talking about ◯◯. ◯◯について話す練習がしたい
  • Let's do a role play. You are a shop staff. ロールプレイをしよう。あなたは店員役ね

終える(ここで直してもらう)

会話中に直されると心が折れます。直しは最後にまとめて、3つまで。

  • That's all for today. Thank you! 今日はここまで。ありがとう
  • Correct me. Three mistakes, please. 直して。3つだけお願い
  • How could I say that more naturally? もっと自然に言うにはどう言えばいい?

とくに "Let me think for a second.""How do you say ◯◯ in English?" の2つは、初日に覚える価値があります。 この2つがあるだけで、沈黙が「終わり」ではなく「間」になります

量を落とさないための4つのルール

上達に必要なのは量、量を稼ぐのに必要なのは続くこと。 ここは上達の土台にあたる部分です。

  1. 1日3分でいい。 30分やって3日でやめると合計90分。3分を100日やれば300分です。 基準を低くしたほうが、合計は増えます。 調子がいい日は伸ばしてかまいませんが、基準は3分のままにしておきます。
  2. すでにある習慣にくっつける。 歯磨きのあと、通勤の電車、風呂上がり。 「時間があるときに」では絶対にやりません。直前の行動を決めるのがコツです。
  3. 話題は事前に決めておく。 毎回「何を話そう」と考えるのが、練習そのものより重い作業になります。 下に30日ぶん用意したので、上から順に消化してください。
  4. 間違いは最後に3つだけ。 全部直してもらうと、自分の話がいかに壊れているかを突きつけられて終わります。 会話が終わってから Correct me. Three mistakes, please. と言えば十分です。

30日ぶんの話題

前半は準備なしで話せること、後半は少し考えることを混ぜています。 右の英文をそのまま言えば会話が始まります。

話題 最初に言う文
1 今日食べたもの Let me tell you what I ate today.
2 朝のルーティン I want to talk about my morning routine.
3 住んでいる街 Can I tell you about my town?
4 週末にしたこと Let me tell you about my weekend.
5 好きな食べ物と苦手な食べ物 I want to talk about food I like and hate.
6 通勤・通学の話 Let me tell you how I get to work.
7 最近見た動画やドラマ I watched something interesting. Can I tell you?
8 天気と季節 Let's talk about the weather today.
9 家族のこと Can I tell you about my family?
10 仕事や学校でやっていること I want to explain what I do at work.
11 買い物のロールプレイ Let's do a role play. You are a shop staff.
12 道を聞くロールプレイ Let's do a role play. I'm lost and I ask you for help.
13 レストランで注文する Let's do a role play. I order food at a restaurant.
14 最近うれしかったこと Something good happened. Can I tell you?
15 最近困っていること I have a small problem. Can I talk about it?
16 行ってみたい国 I want to talk about a country I want to visit.
17 子どものころの思い出 Let me tell you about my childhood.
18 休みの日の過ごし方 I want to talk about how I spend my days off.
19 使っているスマホアプリ Let me tell you about the apps I use.
20 健康のためにしていること I want to talk about how I stay healthy.
21 ホテルのチェックイン Let's do a role play. I check in at a hotel.
22 自分の性格 Can I describe my personality?
23 苦手なこと・やりたくないこと I want to talk about things I'm not good at.
24 去年と今年で変わったこと Something changed this year. Let me tell you.
25 お金の使い方 I want to talk about how I spend money.
26 最近学んでいること I'm learning something new. Can I tell you?
27 空港・入国審査 Let's do a role play. I go through immigration.
28 日本を紹介する I want to explain something about Japan.
29 5年後にしていたいこと Let me talk about my plan for the future.
30 この30日でできるようになったこと Let me tell you what changed in 30 days.

ロールプレイの日(11・12・13・21・27日目)は、AIに相手役をやってもらう回です。 形式が変わるので、飽きの防止にもなります。

同じ量でも、伸び方が変わる3つの一手間

ここまでは量の話でした。同じ3分でも、次の3つを足すと伸び方が変わります。 どれも手間はほとんどかかりません。

1. 同じ話題を、2日連続でやる

1日目は言葉を探しながら、たどたどしく話すことになります。 翌日に同じ話題をもう一度やると、前日に使った言い回しが残っているぶん速く言えます。 この「言えた」という体感が、次の日に続ける力になります。

30日の話題リストを2周する形でもかまいません。 新しい話題を追うより、同じ話題で速く言えるようになるほうが、 実際の会話では効きます

2. 直された表現を、翌日に1回だけ使う

会話の最後に3つ直してもらったら、そのうち1つだけを選んで、 翌日の会話で意識的に使ってみます。3つ全部を覚えようとすると、たいてい0になります。

直してもらった表現をそのまま放置すると、次も同じ間違いをします。 逆に、1回でも自分の口から出した表現は残ります。 1日1つでも、1か月で30個です。

3. 週に1回、録音して聞き直す

自分の英語は、話しているときには聞こえていません。 録音を聞くと、沈黙の長さ・同じ単語の繰り返し・語尾の消え方が はっきりわかります。

つらい作業なので、毎回やる必要はありません。週1回で十分です。 1か月前の録音を残しておくと、比べたときに伸びが見えます。 これが次の節の話につながります。

何がどう変わっていくか

ここで「◯日でB1レベル」といった書き方はしません。 語学の伸び方には個人差が大きく、日数と実力を結びつけるのは正確ではないからです。 代わりに、練習中の自分の行動がどう変わるかを並べます。 こちらのほうが、自分で確かめられます。

時期 変わること 自分で気づくサイン
1〜3日目 起動する アプリを開いて話しかけるまでの抵抗がなくなる 「今日もやるか」と思う前に手が動いている
1週間 沈黙が怖くなくなる 詰まったときの言い回しが口から出るようになる 黙り込む代わりに Let me think が出る
2〜3週間 型で返せる 同じような話題なら、考えずに返しの形が出てくる 毎回ゼロから文を組み立てなくなる
1か月 聞き返す回数が減る 1回目で意味を掴める割合が上がる Could you say that again? を言う回数が目に見えて減る
2か月 準備なしでも止まらない 決めていない話題を振られても、なんとか続けられる AIからの想定外の質問に固まらなくなる
3か月 速さに慣れる ゆっくり話してもらう設定を外しても、だいたい追える 設定文から speak slowly を消しても会話が成立する

上達を測るのに便利なのが「聞き返した回数」です。 1回の練習で Could you say that again? を何回言ったか、指で数えるだけ。 最初の週と1か月後を比べれば、8割わかるようになったかどうかが自分でわかります

話せた量や文法の正しさは自分では測りにくいのですが、 聞き返しの回数は毎回はっきり数えられます。 そして数えられるものは、下がると嬉しくなります。 伸びが見えないことが挫折の理由の半分なので、 ここを1つ持っておくだけで、続き方が変わります

つまずいたときの対処

よくある行き詰まりは、どれも実力の問題ではありません。 やり方を変えれば抜けられます。

こうなったら 本当の原因 やること
何も言えずに固まる 正しい文を作ってから話そうとしている 先に「詰まったときの言い回し」を口に出す。考える時間を作れば、そのあいだに単語が出てきます。
毎回、何を話すか決められない 話題を考えることが練習より重い作業になっている 話題を先に30日ぶん決めておく。上から順に消化するだけにします。
間違いを直されて落ち込む 会話の途中で直されている 設定文で「話している最中は直さないで」と伝える。直しは最後に3つだけ。
音声が自分の発音を拾ってくれない 速く小さく話している。単語をつなげすぎている ゆっくり、区切って言い直す。拾われないこと自体が「伝わりにくい発音」という情報です。
AIの返事が長すぎて追えない 返事の長さを指定していない 設定文で「2〜3文で」と指定する。長い返事は聞き取り練習にならず、圧になるだけです。
飽きた 同じ形式が続いている ロールプレイに切り替える。店員と客、面接、道案内。相手役を与えると別の練習になります。
上達している気がしない 測り方がない 聞き返した回数を数える。最初の週と比べれば、減っているかどうかは自分でわかります。

伸びが止まったと感じたら、負荷を上げる

2〜3か月続けると、そのうち「同じことを繰り返しているだけ」に感じる時期が来ます。 たいていの場合これは設定が自分に合わなくなっただけです。 最初に渡した設定文は、初心者に合わせて負荷を下げてあります。

次の順番で、1つずつ外していきます。一度に全部変えると、 何が効いたのかわからなくなります。

設定文をこう変える 何が鍛えられるか
1 Speak slowly を消す 自然な速さへの耳の慣れ。いちばん効果が出やすい変更です
2 返事を 2-3 sentences から 4-5 sentences 長い話を追う力。聞き取れない部分があっても筋を掴む練習になります
3 use simple words を消す 知らない単語への対処。What does ◯◯ mean? を使う機会が増えます
4 話題を「事実」から「意見」へ変える 理由を述べる力。because の後を続ける練習になります
5 Sometimes disagree with me and ask why. を足す 反論への応答。会話が予定どおりに進まない状況に慣れます

逆に、きつすぎると感じたら戻してかまいません。 負荷を上げた結果、練習の回数が減ってしまえば本末転倒です。 量が落ちない範囲でいちばん高い負荷が、そのときの適正です。

やらなくていいこと

「まずこれをやってから」と思って手をつけると、たいてい会話までたどり着きません。 次のものは、この目標のためには後回しでかまいません

  • 文法書を最初から通しでやる — 中学レベルの語順がなんとなく分かっていれば、カタコトは通じます。 必要な文法は、詰まった箇所を調べるほうが早く身につきます。
  • 発音記号を覚える — 音声が拾ってくれるかどうかで十分に判断できます。
  • 単語帳を1日100語 — 会話で使う単語は驚くほど少なく、しかも話しているうちに必要なものが分かります。 覚えるなら、詰まって調べた単語からです。
  • シャドーイングを完璧にやる — 効果はありますが、地味でつらく、脱落しやすい練習です。 話すことに慣れてからで十分です。
  • TOEICのスコアを先に上げる — 読む力と話す力は別です。会話がしたいなら、会話の練習が最短です。

もっと先へ進みたくなったら

負荷を上げきって、それでも物足りなくなったら次の段階です。 そのころには「英語を話すこと」自体への抵抗がなくなっているので、 人を相手にした練習や、体系立てた学習に進みやすくなっています。

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本記事は学習方法の一例をまとめたものです。語学の習得速度には個人差が大きく、記載した期間で特定のレベルに到達することを保証するものではありません。AIの音声機能の有無や仕様は各サービスで異なり、変更されることがあります。AIの英語表現は自然でない場合もあるため、重要な場面での表現は辞書や専門家にご確認ください。

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AIの使い方・評価・料金2026年8月時点

  • 料金の数え方入力と出力のトークン数に対する従量課金単価はモデルごとに異なり、出力のほうが高いのが一般的
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